わん?わん!



▼ 戌井


――…サンタをみた。

この島にサンタが来るはずがない。
…何故なら、この島に"良い子"なんて存在しないからだ(実は例外が居るけれど)。

だからここは俺がヒーローらしくサンタの代わりをしてやろうって思ったわけよ…!

それで、先ずは飯塚食堂のガキ共に何かやろうと思っ…て、俺はそこでサンタをみつけた。

そのサンタは青ビキニの姉ちゃんに笑われながら、厳しい中にも穏やさのある笑みを浮かべていた。

「この島のヒーローは格良いな!」


12/24 (23:36)



▼ 波江と臨也


「あの女爆発しないかしら…」
「物騒な事言わないでよ波江さん」
「そうしたら、私が誠二をなぐさめてあげられるのに…あぁっ、誠二…」
「あー…聞いてないねえ、これは。」
「…………去年のクリスマスは誠二と二人で過ごしたのに、今隣をみるとそこには貴方。」
「悪かったね…」
「あら、存外おとなしいのね。」
「そう…?」
「…えぇ、貴方ならその辺の女を掻っ攫って追い込みそうなものなのに。」
「残念ながら俺は忙しいんだよ、どうリア充共を黙らせるかで頭を悩ませてるんだ。」
「馬鹿みたい、幸せになるべきは幸せになるのよ。誠二だってそうだわ。」

東京には雪も降らなかった。
しかし、今日がクリスマスだと認識するのには充分な程に窓から見える町はクリスマスムード一色に見えた。

12/24 (23:31)



▼ 戌井と狗木


「みえねえなあ」

溜め息と共に呟かれた鏡合わせの虹犬の言葉に、狗木は表情を変えずにその続きを待った。

「やっぱ海の向こう、つーんだからどう海を見てたって外国は見えねえな」

子供の様に危なっかしく身を乗り出して、戌井は遠くにあるはずの他国の土地を探して視線を海に向けた。

「こんな所から見えるはずがない」
「そんなのわっかんねえだろ?」

狗木は海外に行った事などはなかった。本当は本土に居た頃に行った事があったかもしれないが、彼はそれを記憶していない。狗木にとって、飼い主に繋がれた鎖の届く範囲が彼の世界。

「もしかすると、これは俺の視力の問題なんじゃね?なあ、どうおも…」

ひゅん、と微かな風の音が戌井の頬をかすめる。感情の読めない暗い瞳のまま蹴りを繰り出した体勢の狗木に、戌井は穏やかな笑みを浮かべてみせる。

「この島からなら何でも見えそうなのに、何も見えないのかもなあ。」

12/10 (16:09)



▼ 狗木と戌井


「つまらない空言だな」

「そうだろうな、俺もつまらない。まっ…俺は好きな事を好きにやりてえだけなんだよ、それを誰かに邪魔をされて楽しめる様になりたいだけだ。」

「意味がわからない」

「俺にもわからないさ、ただ言える事は俺の中の確固たる信念なんて物は一秒一瞬にでも移り変わる。全てが本当で全てが嘘だ!俺は本当の事なんて何も言わないし、嘘なんて何もつかない!」

「…何が言いたい?」

「つまり…俺は自分で言ってしまう程に正直者だって事!」

「……お前は嘘が下手だな。」

11/26 (19:23)



▼ 戌井


映画の中なんかでいう、所謂ヒーロー…英雄ってもんに憧れて、いつだったかガキの頃の俺は堪らなくなってテレビの画面に手を伸ばした。

ビリビリと微かに掌を叩く振動と驚くくらい固く生温い無機質な箱に…
、、、、、、、、、
ぶちあたっちまった時

俺はさすがに理解した。
…理解させられた。

「そうか、あっちはここなんだ。」

向こう側に行く必要なんてない、同じなんだ…ここもテレビの中も一緒なら、俺が主役になる事に障害なんて何もないわけだ!

11/26 (19:15)



▼ 青葉と杏里


「帝人先輩は優しいですよね」
「…そうですね、とても優しい」
「でも俺も杏里先輩も、先輩に優しくしてもらっていいはずがないんだ。」
「…だから帝人くんは優しいんじゃないかな?」

11/23 (11:30)



▼ 探偵姉と探偵弟


「どうしましょう、シャーロック!」
「とりあえず…何がどうしましょうなのかを教えてくれないと僕がどうしようだよ、姉さん。」
「それもそうですね…!さすがは私の弟、的確な推理です!」
「で、どうかしたの…?」
「あぁ、そうでした…えーっと…なんでしたっけ?」
「もう駄目だ…わかっていたし、何度も言う様だけど姉さんがもう駄目だ…」

11/23 (11:22)



▼ 美香と帝人


「愛が全てじゃなくて、全て愛なの」
「難しいよ、張間さん。」
「うーんとね…簡単に言えば、私は誠二が全てなんじゃなくて、私は私の全てが誠二なんだよ。」
「やっぱり、難しいよ。」
「帝人くんは気付いてないだけで知ってるんだよ、それともわかっていて知らないふりをしているんでしょう?」

11/23 (11:18)



▼ 狗木とイーリー


「…ケーキ?」
「リーレイに頼まれたのよ」
「料理をする所なんて初めてみたよ」
「そうでしょうね…した事がないから。けれど心配しなくても知識はあるわ。」
「……………僕も手伝うよ。」

11/23 (11:13)



▼ 臨也と帝人


「俺は人間が好きだ」
「知ってます」
「だから、化け物は大っ嫌い。」
「接続詞がおかしくないですか。」
「おかしくないさ、俺の中でイコールに結び付けばそれでいい」
「その定義って何なんでしょう?」
「それが通じない事だよ。」

11/22 (19:02)



 


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