暁の空へ | ナノ


  36 懐かしい


どう答えるべきなんだろう?

正直に?
そうしたら"忍足謙也"の正体がわかる?


でも、よく考えたら、さっき歌ったあの歌の間奏部分のトーク……
何回かやったことのある、懐かしい感じがした。



私は、貴方を知っている……?



"俺、お前のこと好きだ――夕月"



だれ?


思い出せない。


でも私は貴方を知っている


「……そう、だよ」


半ば無意識に、そう口が動いていた。


《……本当に、夕月なんやな》


……今は、暁だけどね。


「……忍足謙也、あなたは一体"誰"なの……?」
《……思い出せへんか?》
「……わからない。けど……懐かしい感じはするの」
《そうか……その言葉で十分や》
「え?」
《俺の名前は――




























――木陰(こかげ)》

prev / next

[ back to top ]


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -