ショートノベル | ナノ


まったり


サァっと、ふんわり暖かい風が吹く。


「春だねー」

「そうですねぇ・・・」


縁側に座り、ずずっ・・・と茶を啜る夢とロレンツォ。
その2人の姿は、どこにでもいそうな仲のいい老夫婦のようで。
後ろから2人の姿を見ていたファミリーたちは、和やかなムードに包まれていた。


「花見とか行きたいね〜」

「いいですね。それか、ココに桜の木を植えて花見も良さそうですね」

「あ、それいいかも」


再び、夢とロレンツォの2人は茶を啜った。
ふ、と空を見上げれば青く澄んだ青空。そして、ふわりふわりと浮かぶ雲。
夢は静かに微笑んだ。


「ロレンツォ」

「なんですか? 夢」

「・・・ううん。なんでもない。呼んでみただけーっ」

「なんですか、それ。まったく、夢は・・・」


ロレンツォは袋で表情は伺えないが、2人は笑った。
互いに笑い合い、また茶を口に。

まったり
*アトガキ*
・・・ロレンツォ、袋被ってんじゃん。
お茶・・・飲めなくね?

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