ショートノベル | ナノ


3月9日だからね


「ねーねー、少佐〜」

「ん? どうした、夢。それにパティまで」

「実は・・・」


全てはここから始まったのである。
アンディの災難は。


「ちょっと、アンディ!」

「? なんだよ」

「ちょっと頼みがあるんだけど・・・」

「頼み? 俺にか?」

「うん。アンディに。アンディにしか・・・頼めなくて」

「!」


廊下で見かけたアンディを呼び止めると、夢はアンディに頼み込んだ。
少し目を逸らし、頬を赤らめる。
すると、何かあったのかと真面目に思ったアンディは、快く夢の頼みごとを内容を聞かずに承諾してしまった。


「いいぜ。どうせ今暇だったし」

「本当!?」

「ああ。で、頼みって・・・」

「じゃあ、こっち! 着いてきて!」

「あ、おい夢!!」


走り出した夢を、何一つ疑うことなくアンディは追いかける。
その先に、何が待ち受けているのかも知らずに。
夢が入っていったのは、兵部の部屋だった。
しかし、そんなこともまだ知らないアンディは、そのまま夢を追いかけ部屋に入っていく。
すると、次の瞬間。


「少佐、今よ!」

「ああ、わかってる。ほらっ」

「兵部!? って、えっ」


語尾に星がつきそうな勢いで言った兵部。
待ち構えていたのは、とある洋服を手に持った兵部で、アンディが部屋に入ってきた瞬間に兵部の持っていた洋服は消えた。
そして、気が付けばソレはアンディが身にまとっていて。
アンディは、兵部が待ち構えていたことに驚くも、すぐに違和感に気付く。


「な、なんじゃこりゃ!?」


一瞬にして、変わったアンディの服は所謂初●ミクのコスプレ。
元々アンディが来ていた服は兵部の手に。
つまりは。


「ぶふっ!? くっ・・・あはははっははっ!!! おまっ・・・ふふふふふっ、に、にあって・・・あはははははははっ!!!!」

「うぉおおおおおおおおおおっ、キタコレェエエエエエエエ!!!!」

「ぷぷぷっ・・・ふふっ・・・」

「お、おまえらぁああああああああ!!!!!」


つまりは、兵部、夢、パティの3人がグルになって仕組んだイタズラであった。
お腹を抱え笑い転げる兵部に、バタバタと興奮しながら何かを叫ぶ夢、そして口元を抑え必死に笑いをこらえるパティ。
アンディの災難は、始まったばかり。

3月9日だからね
めでたし、めでたし。

「全然めでたくねぇ!!!!」



このあと、パンドラのみんなにミクコス姿を見られて、きっとアンディは笑われまくるんだ。
それで、顔を真っ赤にして桃太郎に当たるんだ。きっとそうだ。そうだと信じてる。
「この、ケダモノっ!」とか言って。
可愛いよネ。続きませんヨ。

39の日ネタ。
終わりです。

[しおり/戻る]