ショートノベル | ナノ


甘い甘いバースデー


「ゆっきむっらせんぱーい!!!」

「あれ? 夢どうしたの?」


グイッと水色の包装に包まれたプレゼントを、幸村に渡しながら、夢は少し赤面しつつも笑顔で言った。


「Happy birthday to you です!!」

「え・・・?」


驚いた。そんな表情の後に、幸村は吹き出し、お腹を抱えて笑いだす。
そんな幸村の行動に、夢は驚きそして頬を膨らませムッとした表情になる。
しかし、幸村からしてみればそんな夢の表情でさえ可愛く、愛しく思ってしまうあたり、所謂俗に言うバカップル。


「ありがとう、夢。凄く嬉しいよ」


お礼と言わんばかりに、少し屈んで夢のおでこにキスをする。
すると、ムッとした表情から一転。今度は、リンゴのように真っ赤な顔に。
けれど、夢は赤い顔を隠すかのように、照れるかのように、嬉しそうに笑った。


「えへへ・・・愛してます、幸村せんぱ、」

「夢」

「?」


まるで、小さな子に「しーっ」と静かにさせるように人差し指を夢の唇に当てると、幸村は微笑み言う。
名前で呼んで、と。
それはそれは、もう面白いほどに。
沸騰したやかんのように夢の頭からはふしゅ〜っと湯気が立つ。
小さく「あう・・・」とつぶやけば、決心したかのように夢は口開く。


「せ、精市先輩っ」

「ん? 何だい、夢」

「あ、あ、・・・愛してます!! これからも、一緒にいてくださいですっ!!」

「ふふっ・・・俺も愛してるよ。俺の方こそ、これからも宜しくお願いします、夢」


甘い甘いバースデー
砂糖菓子よりも甘い甘いバースデーを。



げろあまぁ(´・ω・`)

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