めりーくるしみます? 「メリークリスマス、夢」 現在進行形で私の目の前にいる、この魔王さ、・・・おっと、ちょっと喉の調子が・・・。 改めまして。現在進行形で私の目の前にいる、世にも美しい絶世の美少年こと幸村精市様。 その綺麗で惚れ惚れしてしまいそうな手には、なんと、綺麗にラッピングされたプレゼントが。 嗚呼、神様・・・私は何かしたのでしょうか。 だから、こんなに世にも恐ろしく奇妙な体験をしているのでしょうか。 「夢はさ、俺の事どういう風に思ってるんだい? 五感奪われたいのかな?」 「滅相もございません、先輩閣下。それよりも、ありがたくプレゼントを頂戴いたします」 「ふふ、夢の為に一生懸命選んだんだ」 おやまぁ、なんてことでしょう! プレゼントの包みをやけくそになって夢ちゃんが破り、箱を開けたら。 そこには、なんと!! 「夢専用の首輪」 真っ赤な首輪が!! 思わず、プレゼントを持つ手が震える。 幸村先輩殿、そんな頬を染めて目を逸らして恥ずかしがったってダメですよ。 「くっそいらねぇえええええええええええええええ!!!!!!! いつ使うんだよこれぇええええええええええええええええ」 「ん?」 「あ、何でもないです。凄く嬉しいです、はい。丁度欲しかったんですよね、新しい首輪。ありがとうございました幸村先輩」 「ふふ、喜んでもらえて良かった」 苦労したんだよ、それ探し出すの。 なんて苦笑しつつ言うこの悪の大魔王様。 くそう、なんて私は弱く可哀想なんだ。 あ、ごめんなさい嘘です。だから笑顔でパワーSを駆使して私の頭をつぶそうとしないで。 あだだだだだだっ、潰れる。 ぎりぎりいってますやん。 ぎゃあああああ脳みそ飛び出るるるるるる。 「本当、夢は面白いね。飽きないよ」 女の子の泣き顔を見て笑顔なんて・・・魔王め・・・じゃなくて。 「先輩、でも私プレゼントなんて用意してませんよ」 「いいよ、別に期待してなかったし」 ぐっさぁあああああああああ。 笑顔で言われました。 ▼夢は ∞ の ダメージを くらった 駄目です。 私、挫けそうです。 助けて、バ●キンマーン。 あ、間違えた。ア●パンマンだった。 夢ちゃんったらお茶目さん!てへぺろっ! ・・・ごめんなさい。お願いですからそんな冷めた目で見ないで、やめてください、生卵に紛れて小石投げないで! 「これは、俺の気持ちみたいなものだからさ。夢は気にしないでよ」 「えー・・・でもー・・・」 気持ちで首輪か。 2年も付き合ってる彼女に首輪(人間用)を気持ちでプレゼントか。 なるほど、魔王様のお考えなさることは凡人である私にはまったくもって理解できん。 さて、まあ色々とツッコミも入れたいしでも怖いからしないけど・・・。 流石に彼氏からプレゼントをもらってそのままありがとう。じゃ私の癇に障るな。 しかし中学生のお財布事情はそんな生易しいものでもない。 更に言うならば、この首輪に勝るプレゼントなんて、私は一体何を上げたら宜しいのやら。 なんだ、ムチか?ムチがいいのか? 馬鹿言え。凡人である私にそんなもの手に入れる事が出来ると言うのか。無理無理。 そんなもの、どこぞのペテン師に言え。 私は至って普通で凡人なのだ。 ふむ、でも困りました。 プレゼント・・・。 世の男どもは彼女からどんなプレゼントを貰ったら嬉しいのだろうか。 ・・・・・・嗚呼、そうか。 「幸村・・・じゃなくて、精市先輩」 「なんだい、夢」 「ちょっとしゃがんでください」 「? はい・・・!!」 先輩がしゃがんだところで、私は先輩の肩に手を乗っけて少し背伸び。 こういう時、身長差が傷ですよね。わかります。私チビですし。 重なった先輩と私の唇。 触れるだけのちゅー。 唇を話して目を開けば、驚いた表情のまま固まる先輩の顔が目の前に。 「私からの、プレゼントです」 Merry X'mas。 なーんて笑いながら先輩に言ってやれば、突然頭を叩かれWhat!? 何事かと先輩を見上げれば、先輩は口に手を添えながらお顔をトナカイさんのお鼻の如く真っ赤に。 なんですか、この可愛い生き物は。 「先輩?」 「夢!」 「は、はい!!」 「ばーか!」 真っ赤なお顔で笑ったと思えば、また触れ合った私と先輩の唇。 今度は、先輩からちゅーされちゃいました。 夢ちゃんはフリーズです。・・・んなわけねーだろ。 嗚呼、今宵は長くなりそうです。 (先輩、大好きです。I love youです) (俺こそ、大好きだよ、夢。愛してる) 立海R(他でやれよ!?) ※現在地:テニスコート [しおり/戻る] |