『九喇嘛のぼやき』 (克弘様)



『九喇嘛のぼやき』



 第四次忍界大戦が終結し、はや一年がたとうとしていた。

 戦が終わった後、ナルトは一人の女性にペインとの戦い以来ずっと引っ掛かっていた思いを、

「遅くなってごめんな!」そう言った後に全部ぶつけた。

 そうするとその女性、日向ヒナタは涙を流しながら真っ赤な顔で、しかしとても嬉しそうに「ありがとう・・・。」と返事をした。

 あの日二人は晴れて恋人同志となった、しかも公認で(笑)

 それ以来、彼女と付き合い始めたナルトから、ヒナタののろけ話をやたら聞かされるようになった、ナルトの相棒である尾獣・九喇嘛、正直彼の彼女馬鹿ぶりに呆れているようである・・・・・。

「ったく・・・・・ま〜たあの娘の話か・・・、いい加減飽きたわ。」

「ガキの頃はサクラサクラ言ってやがったのに・・・・・。」

 ナルトののろけぶりをぼやく九喇嘛、するとふと思い出した事があった。

「そういえば六道のジジイもよくかみさんの話してたっけな・・・・・。」

 自分達尾獣の親代わりだった六道仙人の事だった。

「しかしナルトの恋人の娘、日向一族とはな・・・これも何かの縁か・・・。」

 九喇嘛は色々と思い出してはぼやく。

「六道のジジイの妻・・・、日向一族の祖・・・、まさかあの娘もナルトと同じくだったりしてな。」

 苦笑する九喇嘛。

 六道仙人の妻、実はその女性こそが後に日向一族の祖となる人物であり最初の白眼の持ち主である。

 日向一族が、もっとも古く、歴史ある一族と言われるゆえんであった。

「そういえばババアによく似ている・・・、ヒナタだったな・・・。」

 九喇嘛はナルトがヒナタに自分を紹介した時を思い出す、初めは戸惑っていたヒナタだったが、後に優しく綺麗な笑顔で「ナルト君を助けてくれて、ありがとうございました。」、そう言われて少し照れくさかった。

「尾獣に礼なんて言う人間がナルト以外にいたとはな・・・。」

 フッと鼻を鳴らす九喇嘛は思う。

「ババアもそういえばそんなんだったか・・・・・今度わしも話に割り込んでやろうか、クックックッ・・・。」

 今は亡き六道仙人と、その妻、日向の祖の事を考え、九喇嘛は二人にナルトとヒナタを重ねた。

 悪戯と一緒に、もしも二人の生まれ変わりなのなら、いつまでも仲睦まじくいてほしいと考えていた。

「・・・ったく、何を考えとるんだ、わしらしくもない。」

 「あいつらに影響されたか?」と、ナルトとヒナタに恨めしいような嬉しいような感情を抱く。

「フッ・・・礼を言う・・・べきなのだろうな・・・。」

 昔とは違い、穏やかな表情で笑みを浮かべる九喇嘛の姿があった。



 
終  










お話ありがとうございましたーっ!
いやー
日向一族のことに関してもそうですが
六道仙人の奥方に対しての記述もないですよねぇ

とっても気になるところでありますっ

何気に惚気るナルトと
素敵な九喇嘛をありがとうございましたーっ

 




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