今日、3年生が卒業する。
新生徒会長の椿君が涙ながらに送辞をして、その後全生徒会長の彼がステージに立った。
答辞が書かれた紙を破りだしたのには驚いたけど、
アドリブでなんとも彼らしい答辞をしてくれた。
「前だけを見て進め!」と繰り返した。堪えていた涙が溢れた。
答辞が終わり礼をした彼と目があった気がする。なんてただの自惚れだろうか。
式の後、彼の所に挨拶に行ったらいつも通り笑って
「お前泣きすぎだぞ?貰い泣きしそうになっちまっただろう」
と言う彼の目が幾分か赤くなっていた。
「私早く先輩に追い付きますから!東大行ってやりますよ!」
「かっかっか!まあ、気長に待つさ」
それから握手をして、どちらからともなく口付けた。
安形