腕を骨折して、屋上から飛び降りようとしたらしい。
それはクラスメイトの人が止めてくれたそうだけど、そんなに思いつめてるなんてちっとも気付かなかった。
骨折した日に電話をしたら、いつものように笑うだけだったし。
別に私はあいつの恋人ではない。ただの幼馴染だ。
それでも、もう少しだけ私に頼ってくれてもいいのに、と思う。
帰り支度をして教室を見渡すと、今日は部活が休みの幼馴染が帰ろうとしているのが目に入った。
骨折はまだ完治しておらず、未だ包帯が腕に巻かれている。
声をかけると、やっぱりいつものように明るく笑った。
山本