小説 | ナノ



おそ松さん
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「なまえっ…!」


仲間からバトンを受け取り、全力で走った。

隣ので相手も負けずと息を上げて私の隣を走が、私は相手との距離を離して前へ出る。
もう少しでゴールに着く…そう思った刹那、私は自分で自分足を絡めて地面に叩きつけられて転んだ。




「ヒック…ちくしょう、」


私が転んだせいで相手が先にゴールに着いて私達のチームは負けてしまった。
皆泣いていた。私が泣かせた…のせいで負た…それなのに「なまえは悪くない」「しょうがないよ、気にしないで」など優しい言葉を言う。
でも逆にその優しい言葉が私の心に刺さり、会場の外に出て泣いていた。


「あっ、ここにいたんだなまえ」
「見に来ていたのね、おそ松」
「皆心配しているよ?過ぎた事を考えてもしょうがないよ」
「止めて。今そんなこと言われても惨めになるから嬉しくない」


せっかく皆で必死に練習してここまで来たのに…負けるって言っても転ぶなんてあり得ない。例外。何でこんな初歩的なミスをしちゃったんだろ…まだ全力で走って追いつけなくって負けた方が良かった。
それに本当は皆私の事コイツのせいで…、って思っているんじゃないか?そう思うと怖くて戻れないし、午後の試合に出られない。


「私のせいで…無理っもう走りたくない!」


おそ松に弱音を吐くと背中をさり、こう言った。


「走る走らないはなまえの勝手だけど、なまえがいないと人数不足で大会に出られないよ?」
「…っ!」


そうだ一人でも欠けると午後の試合に出れない。
部員は応援でいるけど、受付でエントリーした人しか出れないから使えない。


「嫌っ!駄目…そんなのっ、私の我が儘で皆が…!」
「じゃあ戻ろう?俺先に戻ってるわ」


私の手に何か押し付けて会場に入っていった。
渡されたものを見る。チョコレートと絆創膏だ。


「バカ松…」


チョコレートの箱には汚い字で頑張れ、と書いてあった。


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