「はぁー…この島に来てから剣の腕がえらくなまっちまったぜ…」
「そんなことないっすよ!俺、トシさんの剣さばきいつも感動しますし!」
「へっ…気休めはよせやいリキッド…よし、休憩がてらに釣りンでも行くかぁ」
「もー、気休めじゃないっていつも…ん?トシさんなんか上から降って…」
「あん?…お?おおぉ!?っで!」
「わー!?大丈夫ですかトシさん!?」
「…ってて…んだこれ…あ?」
「ん?これって…○○さんじゃないすか?すんげー厚化粧してっけど」
「あらぁー?どこかに○○ちゃん落としちゃったみた~い、んもう、やだわぁ」
「あれは…ハヤシくん?」
「…う…ううん…」
「…目ェ覚めたか」
「え…え?リキッドくんに、トシさ…きゃああ!み、見ないで!お願い!今ハヤシちゃんにもみくちゃにされてひどい顔してるから!見ないでくださいいぃ!」
「お、落ち着け○○!おいリキッドタオルだ!タオル持ってきてやってくれ!」
「ふう…やっと化粧落ちたよ…ありがとうございます、トシさん、リキッドくん。」
「いやまあそれは大丈夫なんですけど…○○さんいつもの服はどうしちゃったんすか?」
「ああ…ハヤシちゃんにきせかえ人形にされた挙句お散歩に連れ回されちゃって…服も多分その辺に落ちてると思う…」
「そりゃあ災難だったな」
「うう…しわくちゃのウエディングドレス着た上にあんな化粧姿をトシさんに見られちゃうなんて…もうお嫁に行けない…」
「あ、俺はいいんだ」
「化粧…いやまあ、その、似合ってねえわけじゃあなかった…ぜ?」
「視線を右往左往させながらしどろもどろに答えないでください…とにかく、ハヤシちゃんから元の服を取り返さなきゃ…二人ともありがとうございました。では」
「あん?おい○○、そんな服で走ったらこけ」
「あ」
「…うう…鼻打った…」
「おいおい、でえじょうぶか?…ったく、しゃあねえな。っと」
「きゃっ!?えっと、トシさん…!?」
「おっと、おっことしちまうからあんま暴れんなよ。すまねえなリキッド、ちっとひとっ走りいってくらあ!」
「えっわっきゃああ!?とっとっトシさんストップ!恥ずかしいからストップーー!」
「・・・ウエディングドレス着た女を軽々と横抱きして走り去っていくトシさん…さすが!俺ができないことを平然とやってのける!そこに痺れる憧れるぅ!…さ、帰って昼飯の用意しなきゃな」