日曜日の夕方5:00に、俺様の家でお泊まり会とやらをする。
なんて意味のわからない報告を跡部から受けた。
当日の跡部宅前。集合時間になっても皆来ない。
『え、何で来ないの』
おかしいなぁ、時間間違えたかなぁ、なんて思いながらケータイの画面を開こうとすると。
「やっと来たかアーン?」
堂々と立っているアホ部様が、目の前にいました。
早く帰せ!
(…あんた、何やってんの)
「何してる、って…。お前を待っていたに決まってんじゃねーか」
『待ってた、って…。私の方が先にいたよ』
「そうだったか?」なんて馬鹿なことを言っている跡部。
頭大丈夫かな…。
その前にまずおかしい。
『ねぇ、皆は?』
集合時間きっかりに来そうな宍戸とか、ちょたがいない。
おかしい。
「はあ?何言ってんだお前は。今日はお前だけが俺様の家に、お泊まりするんだろうが」
『…は!?』
幻聴だよね。
そうだよ、きっと。
幻聴であって!!
『う、嘘でしょ…!』
「俺様が嘘なんざ、吐くわけねぇだろ」
あぁ、ついに私も頭がイカれたらしい…。
『意味分かんない、どうして私がここに一人で…』
あの後口論になったが、跡部が帰らせてくれなかった。
***
『ちょ、帰してよ!』
「っは!無駄な抵抗はやめるんだな」
『意味分かんねぇよ』
パチン!
(え!? まさか樺地君…!?)
「坊っちゃま。何かご用でしょうか?」
(まさかの執事さんー!?)
「あぁ。名前を来客用ロイヤルスウィートムールに連れて行け」
「かしこまりました」
『執事さんんんんんん!!』
***
疲れた。いろんな意味で疲れた。
執事さんは優しそうな声で、6:30んに坊っちゃまが自分の部屋に来るように、と教えてくれた。
優しいね、執事さん!
さっき私を姫抱きにしたがな。
といっても跡部の家にきたのは今日が初めてであって、あとーべの部屋がどこにあるのかは知らない。
優しくなかったね、執事さん!
『はぁ…。もういいや。とにかく捜そう』
そう落胆しながらも、私は跡部の部屋を目指すのだった。
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