「好きッス、名前先輩!」
『…は?』
さー、今日もマネ業頑張るかー、と思って意気込んで入った部室からした、私への第一声。
「どうッスか!?ドキドキしました!?」
満面の笑みで、私に話しかけてくる赤也。
…すごく可愛いテイクアウトしたいいいいい!
と、その後ろで爆笑しているブン太や仁王、幸村に私は、?状態だ。
『え、えぇ…』
意味がまったく分からない。
好きです、○○さん!
(名付けて!きゅんっとする、ドキドキ告白ターイム!)
『名前だっさ!ていうかなんなの、告白とか』
いきなり好きですとか、意味分かんないだろ。
「え?名前先輩…ドキドキしませんでしたか…?」
『うぐっ…』
子犬のような瞳で私を見つめる赤也。
ううううう、可愛すぎるよ!
『い、いや…うん。したよ、ドキッって!』
「ホントですか!?よっしゃー!」
…うん。赤也のこの笑顔が見れたから、さっき嘘ついてよかった。
『で、なんなのさ、これは』
疑問をぶちまける。
早く誰か答えてよ!
「ん?あぁ、これは名前に告白したらどんな反応が返ってくるかな、っていう実験?」
『実験!?実験なの!?嬉しくないんだけど!』
「は?告白されるんだよ?喜べよ」
『怖い。幸村が怖い』
小首かしげながら、黒いオーラを放つ幸村は可愛くないもんね…!
「まぁ、ただ単に、そのデーターがなかったから提案しただけなのだがな」
『柳…』
何のデーターに使うの?
そう言おうとした言葉を飲み込んだ。
だって魔王が怖いんだもん。
『…それで?』
とにかく話は聞いてやろう。
「まず、赤也はしたからいいだろう。これから、仁王、俺、ブン太、真田、幸村に告白をしてもらう。そのときのお前の反応を、データーに取らせてもらおう。分かったか?」
『まぁ、…だいたい』
「じゃあ、まず仁王よろしく」
「了解ナリ」
『え、待ってよ!心の準備できてないんだけど』
「そんなもん必要ないだろ」
『ひどい』
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