「ねえ、蜻たん…」


自室。
ベッドに半身を起こして座った夏目はため息をついた。

というのも、ベッドの傍らには蜻蛉がいて。
無自覚にこちらが寝ようとするのを邪魔してくるのだった。

目にいいらしいブルーベリーを持ってきてくれるのは嬉しいが、そういう問題ではない気がする。
いわゆるありがた迷惑というやつだ。


本音を言えば、もう眠くてしかたがない。
百目の力を使ったあとは、いつもこうだ。
いよいよ彼を相手にするのも面倒になってくる。


彼には悪いがもう寝よう。
夏目は決意した。


---


「蜻たん…僕もう寝るからね…?」


言うが早いか夏目はベッドに身を預け目を閉じる。

程なくして聞こえてきた寝息に、蜻蛉は息をついた。


「私を放置して寝るとは、なかなかのドS…」


蜻蛉はそっと呟く。


そして眠る彼の髪をそっと撫でた。


「…おやすみ」


最後にふとんを肩までかけてやり、蜻蛉は部屋を出た。






1つの愛情表現



(頑張った君に)
(おやすみなさい)
(お疲れさま)




あとがき...

し、視点の切替が…orz
4巻の蜻さまの安眠妨害に萌えました!
きっと蜻さまは自覚なしにやってると思います。


11.3/11 ナオ



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