サクサクと。
昨夜一晩中かけて積もった雪が、軽快な音を立てる。
「真っ白ですネー」
「…だな」
少し後ろを歩くギルバートに話しかけると、短い答えが返ってきた。
真新しい雪に足跡をつけて歩く。
一面に積もった雪が日の光を受けてきらきらと反射した。
立ち止まり、その眩しさに目を細める。
「…綺麗だな」
いつの間にか隣に来ていたギルバートが呟いた。
「そうですネェ…」
しばらく2人でその景色を眺めた。
寒くないか?
彼の指が頬に触れてくる。
「冷えてるじゃないか…!」
ふわりと肩に掛けられたコート。
「全く…そんな薄着してるから」
そんな言葉と共に温もりに包まれた。
優しく抱きしめられ、その胸に顔を埋める。
「…温かいデス」
見上げると、金色の瞳と目が合った。
優しい微笑が返ってくる。
ふと、ギルバートの格好が目に入った。
自分にコートを貸してしまったため、彼は寒そうな格好をしている。
「ギルバート君も、寒いでしょう?」
そう言って、自分の肩に掛かっていたコートを背伸びして彼の肩に掛けた。
「ブレイク…おまえも寒いだろ?」
「大丈夫デス」
驚いた表情をするギルバートににっこりと笑いかけ、彼の手をとる。
それに、こうしていれば温かいデスカラ―
言い終え、ギルバートの方へ体を寄せた。
「ネ?温かいデショう?」
呆然としているギルバートを見上げ、にこりと笑う。
「…あぁ」
ギルバートも笑顔になり、繋いだ手を強く握ってきた。
そんなギルバートの方に更に身を寄せる。
そして、その温かな手を握り返した。
雪の日
(さむい、さむい)
(雪の日でも)
(あなたとなら)