目を開けると、そこは見慣れた自分の部屋だった。
「あ、気がついた?」
パタパタという足音をさせてオズが駆け寄ってくる。
「大丈夫?痛いとこない?」
「…ど、して…?」
「覚えてないの?ブレイク、力を使った後に倒れちゃったんだよ」
ああ…そういえばそうだった気がする。
「大丈夫、デス」
そう答えて身を起こす。
「あ!まだ寝てなきゃダメだよ」
オズが慌ててブレイクをベッドに寝かせようとする。
「大丈夫ですカラ」
そう言ったとたん、体がぐらりと傾いた。
ベッドからずり落ちそうになった体は、横から伸びてきたオズの手に支えられた。
「ほら、ふらついてるじゃん」
オズの心配そうな声が耳に響いた。
「ちゃんと寝てて?」
力が入らない体をオズに意外に強い力でベッドに押し戻される。
抵抗することもできないまま、部屋の明かりが消された。
「ブレイクが寝るまで、オレここにいるからねっ」
「なっ…」
オズはどこからか椅子を持ってきて、ベッドのそばに置く。
そして悠然と座った。
…そこまでされたら、おとなしく寝るしかないじゃないデスカ…
「ズルいデス」
ブレイクの不満気な表情にも、オズはにっこりと余裕の笑みを返してきた。
(こうでもしないと、ブレイク寝ないじゃん?)
さっきまで不満を並べていたブレイクも、今は静かな寝息をたてている。
よし。
ブレイクもやっと寝てくれたし、オレも帰るかな…
オズは立ち上がって、伸びをした。
こうでもしないと休んでくれないし、ブレイクって手がかかるんだから…
オズはその無防備な寝顔を見て、くすりと笑みを零した。
作戦