「臨也殺す臨也殺す臨也ころ…あ」
こちらにとっては言い終わらなくてよかったとでもいうべき願いごと。
間に合わなかった、と悔しそうに呟く彼。
そんな仕草さえもいとおしくて。
たった今夜空に消えていった流れ星に感謝する。
「………、何にやにやしてんだ、臨也」
聞こえてくる声がやけに近いことに気づき顔を上げれば、彼の怪訝そうな顔が目の前にあった。
思わず一歩後ずさる。
「別に何も?っていうかシズちゃん、流れ星に願いごとするなんて女の子みたい」
そしていつものように。
相手の神経を逆なでするようなことを言った。
「……ッ、臨也ぁあ!!!」
案の定、怒りだした彼との追いかけっこが始まる。
叫びながら追いかけてくる彼から逃げながら、笑みが零れてくるのが抑えられなかった。
星の降るロマンティックな夜に
(憎まれ口ばっかりだけど)
(本当は)
(だいすきなんだよ?)