「あれ、渡狸くん…右目、赤いぞ…?」

「へ?」


ふと気づいたことを、何となく口にしてみた。

気づいていなかったのか、彼はゴシゴシと目を擦る。


「言われてみたら、違和感があるよう、な…?」


一度自覚すると我慢できないのか、そう言って彼はさらに目を擦る。


「あーもうそんなに擦っちゃダメだよー」

「!?ざ、残夏!!」


突然後ろから聞こえてきた声に2人して振り返ると、そこに立っていたのは夏目だった。


「…君は相変わらず登場が突然だな…」


ぽつりと呟いた凛々蝶に笑顔を向け、彼は渡狸に歩みよった。
そして渡狸の目を覗き込む。


「ん…傷とかは、ついてないみたい…念のため目薬さしておいた方がいいよ」


そう言ってポケットから目薬を取り出すと渡狸に渡した。


「あ、悪い…ありがとう」

「どういたしまして☆」


彼は明るく笑うと、くるりと背を向けて去っていった。「夏目くんは退場も突然だな…」

「なんで残夏は目薬持ってたんだ…?」


残された彼と彼女はは呟く。
素直な感想と疑問を。


目薬




(な…なぁ!目薬…さしてくんね?)
(渡狸…もしかして怖いの…?)
(カ、カルタ!?こ、こんなの朝飯前だっ!!)
(はっ…高校生にもなって目薬も自分でさせないとはな)
(う、うるさい!)




あとがき...

なんだかんだいって仲良しな1号室コンビが大好きです。
それにしても残夏さん、なんで目薬もってたんでしょう…?私にもわかりません…
渡狸くんがうるさいばっかり言ってるのは気のせいです←←


11.2/5 ナオ



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