レイムは、まだ泣いているブレイクを連れ出して部屋を出た。
「ザークシーズ、大丈夫か?」
ブレイクは、嗚咽を漏らしながらもこくりと頷いた。
「おまえ、怪談は苦手だったのか?」
「に、苦手、デス…」
訊ねると、弱々しい声で答えが返ってきた。
「まあ、雰囲気のあるところでやると怖いからな…よく頑張った」
今まで知らなかった事実に多少驚きながらも、慰めの言葉をかける。
ブレイクが落ち着くのを待って、気持ちを切り替えた。
「さて、なんで私がおまえを探していたか分かるな?」
「さあ?分かりマセン〜」
そう答えるブレイクはいつものブレイクだった。
レイムはそれに安心しつつ言葉を返す。
「おまえがサボった仕事をやらせるためだ!!分かったらとっととやるぞ!!」
「エ〜」
「エ〜、じゃない!さっさと終わらせるぞ!」
「手伝ってくれるんデスカ〜?」
「しょうがないから手伝ってやる…だから行くぞ」
レイムはブレイクの手を取って歩き出した。
ブレイクの部屋に行き、仕事を始めた。
「ほら、やるぞ」
「めんどくさいデスネ…」
「文句言わずにやれ!」
そんな会話をしたあとは、二人とも目の前の仕事に集中した。
30分ほど経ってレイムは顔を上げた。
自分の分の仕事が片付いたのだ。
「どうだザークシーズ終わったか…って!!」
ブレイクは座ったまま椅子に寄りかかって眠っていた。
(泣き疲れたのか…?)
「……」
(全く、仕方ないやつだな…)
内心ではぼやきつつも、レイムの表情は穏やかだった。
まず、ブレイクをベッドに運んだ。
ベッドに寝かせ、布団を掛ける。
「さて、やるか…」
そしてレイムはブレイクの分の書類を手に取った。
涙のあとには