「あーつーいー」
声のする方を見ると、ブレイクがくたっと机に突っ伏していた。
「おまえな…オレも暑いんだから仕事しろよ」
ギルバートはその姿に呆れ混じりに声をかける。
「あつくてやる気出ませんヨー」
ブレイクが顔を上げ言う。
「終わったら冷たいもの作ってやる」
「本当デスカ!?」
パッとその表情が明るくなる。
彼はすばやく身を起こすと仕事に取りかかった。
(我ながら、ブレイクの扱い上手くなったよな…)
書類を片付ける手は休めずに彼の方を見る。
山ほどあった書類は、もう半分ほどの量に減っていた。
勢いを止めないその姿に苦笑しながらも、ギルバートは手を動かした。
はやくあの幸せそうな笑顔が見たくて。
夏