その翡翠の瞳から涙が零れるのを初めて見たとき、俺は決めた。
何があっても絶対にこいつを守ると。
薄暗い部屋。
そこには力無く布団に横たわる総司の姿。
死病は、少しずつ、だが確実に総司の体を蝕んでいた。
起き上がることも最近はひどく辛そうだった。
それでも彼の願いを尊重して、ここに
新選組に残りたいという彼の願いを尊重して、ここで療養を続けていた。
このままここにいても、余計に辛い思いをさせるだけなのかもしれない。
彼が剣を握って戦えないことを悩んでいるのを知っていた。
だったら、他のことは何も考えずに治療に専念できる場所に移した方がいいのかもしれない。
でも…。
これは、お前を守ったといえるのか?
俺は、お前を守れているのか?
ふと浮かんだ、その疑問に答えるものはなく、心に暗く一筋の影を残した。
目を閉じている総司の手を握る。
ひどく、冷たい手だった。
背誓
(あの日の誓いはどこへいったのだろう)
(君を守ると決めたのに)
(どうして)