部屋の片付けをしていたら、小さい頃の写真が出てきた。


尊敬する近藤さんと僕と―そして土方さん。


写真を眺め、そっとため息をつく。


いつからだろう。当然のように近藤さんの隣にいたあのひとを好きになったのは。

出会ったときから?
家出した僕を探しに来てくれたときから?
あるいはもっと前―はるか昔から、一方的に絡んでいく僕、となんだかんだ言いつつもそれに付き合ってくれる彼という光景があったような気がしてならない。
そんなことはありえないけれど。


どちらにしても、この気持ちを伝えることはできない。


来月、僕は実家を出る。
大学進学のため、上京するからだ。
家を出ると言っても、ひとつ県境を越えるだけだけど。


それに、今まで散々反発したり悪戯をしたりしてきた。いまさら態度を変えるなんて、できるわけがない。


大学も卒業して社会人となっている彼は多忙で、次はいつ会えるかもわからない。


僕が引っ越す前に、もう一度会えるだろうか。


もし会えたら、この思いを伝えてみようか。

ふとよぎった考えに、僕は首を振る。


今はまだ伝えることができないけど。
いつか伝えたい。

だから今は、あなたに会いたい。


伝えられない想い



(この思いはいつか伝えられるのだろうか)
(この思いはいつ伝えたらいいんだろう)
(伝えられるのかな)




あとがき...

転生、どっちも記憶がないバージョン!
続編、書きたいなあ(´∀`)


11.8/3 ナオ



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