血は水よりも濃い | ナノ
「おい、ニート、クズ。」
「…」
「シカトこくな」
ドカッと背中を蹴られて、小さく唸った。そうすると、嬉しそうにソファに踏ん反り返っていた兄が、バカめと嘲笑った。ちなみに俺は兄の足の間、つまりソファの下だ。兄が居る間はソファに上がれない。そういう決まりだった(一方的なあっちの)。
「…なに」
「何じゃねえ、見りゃ分かるだろ。ひまだ。」
「ああ、そう。」
もう一発派手な蹴りを食らった。相当お暇なようで弟の背中に足の裏を載せたまま貧乏ゆすりをしている。邪魔以外の何物でもない。
背中を揺らして退かそうとするけどそれを楽しそうにヒートアップさせていく。
「こらっお兄ちゃん、マサくんの邪魔しないの!」
それをキッチンで料理中の母親が注意をした。罰が悪そうに足をどかす。くくっざまぁみろ。これ以上続けたらオカズ減らされるもんな。母親のお陰なのに勝った気になって、先ほどからせっせと手を動かしていたジグソーパズルに意識を戻した。この勢いだと明日には完成するだろう。せいぜい3000ピース程だ。毎日特にする事のない俺にはかっこうの暇つぶしだった。
「お兄ちゃーん、これ運ぶの手伝ってー」
「あー、」
母さんに呼ばれた兄は俺をまたいで(これを俺がしたら殺される)キッチンに向かった。夕食が出来たのだろう。でも俺はパズルをあと少し進めたいからみんなと一緒に席つく気はない。父さんが帰ってきてから一緒に食べるかと頭ん中で考えてたところに、兄からの呼び掛けがあった。
うるさい、俺はこれに集中してるんだ、と全部シカトしていると後頭部に衝撃があった。
「いっったぁああ!」
「てめえ!!飯だっつってんだろ!!冷めるだろーが!」
「ヒロ兄のばか!俺まだ食べないもん!」
「調子に乗んじゃねーぞ!?、俺が仕事から帰って来た時からずっとやってんじゃねえかよ!ぶっ殺すぞ!」
「っああ!!!」
切れた兄が思いっきりパズルを蹴飛ばした。この三日間必要最低限の生活以外はずっと夢中になってやってたものがほぼ崩れてしまった。俺は呆然とした後、顔を歪めた。
「う、う、うあああ゛あ゛ぁああんっっっ」
「っうっせえ!泣くな!」
「ばが!ばがぁっ!うあ゛あ゛!」
ぐちゃぐちゃになったパズルの上に顔を伏せて泣きじゃくった。最悪だ!最悪だ!なんて兄なんだ!こんなの兄じゃない!もう鬼だ!鬼!
「おに゛ぃぃぃいいいっ地獄の底から這い出た鬼だぁぁああああっ」
「あ゛あ!?」
発言に更に切れたらしく、手を振り上げられた。
「お兄ちゃん!なんでマサくんの事泣かすの!テーブルに呼んでって頼んだだけでしょうがっ」
「だって、こいつがパズルって!」
「もうっお兄ちゃんは帰って来てからマサくんが構ってくれないから拗ねてるだけでしょっ意地悪しないの」
ほら、マサくんまたやり直せばいいでしょと母さんに涙を拭われてテーブルまで手を引かれた。
その際に兄の横を通ると思いっきりシワを寄せてバツの悪そうな顔は般若のようだった。あまりの恐ろしさに涙は引っ込んだ。


「おい、引きこもり。タマネギも食え。」
「いや」
「殺す」
「っいた」
嫌いなタマネギだけ端に寄せているのを目ざとく気付いた兄に足を踏まれる。
「肉と食えばいいだろ。ほらこうやって、」
兄の持ち方の綺麗な箸が伸びてきて、肉にタマネギを包むと、俺の口元に持ってきた。しばらくは口を閉じて抵抗したけど何時の間にか唇に押し付けられていたので諦めて食した。それを何度か繰り返すうちに、強敵のタマネギはなくなっていた。
「あ、お風呂炊いてあるから入っちゃってね。」
「おい、カス。食べた後食器洗ってから風呂な。先入って待ってるから。」
食器洗いはいいが、その後はパズルをまたやりたかったのにそれを言ったらまた怒りの鉄槌が下されるから黙っていると、舌打ちをされた。
「お前、しばらく風呂はいってないだろ。汗臭いしベタついててキモい。」
俺の頭に鼻を寄せた兄がしかめっ面してから俺の鼻をギュッと摘まんだ。臭いなら自分の鼻摘め。確かにパズルを始めてから入った記憶はない。パジャマも着たままで変えてないし。首元の襟をくんくん嗅ぐ。
仕方なくうなづくと、兄は満足そうに立ち上がって食器をシンクにつけた後そそくさと脱衣所に向かった。あまり待たせると不機嫌になるから、急いで終わらせて浴室に駆け込む。
兄はすでに湯船に浸かっていて、気持ち良さそうに目を閉じていた。俺はさっさと髪の毛を洗っていると、シャンプーハットつけろとかそんなんじゃダメだとか爪立てんな傷付くとかいちいち横からうるさく指摘をしてくる。
「ならやって」
「…ふざけんなてめえでやれ」
「じゃあこれでいいや」
「おい、まてこら」
ったくよ、と呟くと湯船から出て後ろに回った。兄の大きな手は俺の小さな頭を傷付けないように丁寧に洗ってくれる。いつもは乱暴のその腕はこんな時だけ優しいのだ。あまりの気持ち良さにうとうとし始めるがゲンコツを食らったので、いそいそと俺専用のフワフワスポンジを泡だてて身体を洗う準備をした。した、だけだ。もちろん身体も兄にしてもらう気満々だから。
「おし、スポンジ貸せ、んで腕出せ」
「んー、」
「自分でする時もこんくらいにしろよ。ゴシゴシすんな。すぐ赤くなるから」
「んー、」
「聞いてんのか」
「お風呂はヒロ兄とばっかだから」
「俺がやるってか」
呆れる兄にくふん、と鼻を鳴らして笑うとしばらくワキをこちょこちょ擽られた。
俺達の体型を例えるなら俺がもやしで兄が大根だ。……例え悪いか。まあそんくらいの差って事だ。でも家を出ない俺の白さよりほんの少し焼けたくらいの肌だから、外出てるくせに情けないなって言ったらボコボコにされた苦い経験がある。多分気にしてるんだ。
「はい、終わり。後は自分で流せよ」
「ん、まだ終わってない」
「あ?」
「ここ。俺のチンコ、まだ洗ってないよ」
股をガバッと開いて指をさすと、嫌そうに顔を歪められた。
「自分でやれ」
「なんで」
「デリケートゾーンだろうが恥じらいをもて」
「前は洗ってくれた」
「ちっ、だってお前勃つだろうが」
「だめなの?」
不思議そうに、それでいて少し拗ねた顔で見つめた。他のとこは洗ってくれたのにここだけ洗わないとかわけわからない。あとお尻の穴。ここまでしたんだから最後まで綺麗にしてくれないと。
はい、ともう一度スポンジを手渡すと諦めたように溜息を吐いて、
「ばか、手だよ。デリケートゾーンだっつってんだろ」
「なるほど」
再度、兄の胸元に背中を預けた。


「ふ、はっはあっ」
「黙れ、声出すなよ」
「ああっ、無理ぃっ」
「バカ、」
最初は優しくチンコの皮を剥かれて洗ってる時に勃って、そっからお尻の穴に来た時にはビンビンで汁がダラダラだったから、兄のデカチンを入れてもらった。しょうがなしにしてやってる風にされたが、俺のチンコを剥いてる時から背中にデカチンが当たってるの知ってるんだからな。
俺達は三日に一回はこうやってエッチをしたり、俺だけが勃った時なんかは兄が処理してくれる。だけど兄だけがそうなったら一人でオナニーで済ませてしまうから少し納得がいかない。
「ふっんーっ、ハアッ、はっ、はっ、そこっそこぉっ」
「ハッあっ、あー、はっ」
「ああっ、ヒロっ、ヒロにっ、いあっ、」
「はっ、くっ、なあっ、歯食いしばって絶対声出すなよ」
「っえ?…えっ、あっあっあっあ゛っあ゛ーっ、んんふぐうっ、」
手を伸ばしたかと思うと腰がぶつかる音を掻き消すように流していたシャワーを直接チンコに当てられた。
「ふぐ、っうっうう゛っひっうっう」
咄嗟に自分の手で口を抑えたが、水圧で亀頭が刺激されて気持ちいいを通り越して痛みも感じる。
その間も後ろから容赦無く突いてくるから全身の痙攣が止まらない。
「はっ、きもちーか?これやばいだろ?おらおらっ、」
「はぁぁぁああっ、はうっ、うっうっ、ヒ、ヒロにいっ、やら、ほんとにやら、くるし、つらいぃっ」
「ッハァッハア、一回こっち向け、」
一度抜くと身体を反転させて床の上に押し倒された。それからすぐに挿入されると、またシャワーヘッドをチンコに押し付けられる。
「あ゛あ゛あ゛、だめだめだめってぇっしないでっしないでっ、あうっうっ」
「うるせえって、怪しまれるっつの、」
「ん゛ん゛ん゛ん゛ー、ふぐっ、んっんっちゅ、はうっ、ふうっ、んん゛ん゛っ」
黙れとばかりキスで口を塞がれた。
「う゛っう゛っ、ふっぐっ、ん、んーっん゛ーっん゛ーっ、」
「はっ、ふっんっふっふっふっはあっ、」
ハチュッバヂュッパンッパンッグリグリグリッグリグリ〜〜ッ
 「はっあっ、ふあっ、いくっ、いくっ、いくからっ、もっあ゛あ゛っはなじでぇっ、はなじでよぉ、」
「ん、いけよっ、このままいけっ、はっはっはあっ、」
「むりっむりっ、いけなっ、あぐっあっぐぅっ、痛い痛いっ、精液でなっでないよっ、」
水の流れで精液が押し止められているから、チンコはパンパンだ。
「あ゛ーっ、あ゛ーっ、お願いっ、お願いしまっ、はっお兄ちゃん、お兄ちゃん、っ」
「…っくそ、わかったよ、風呂から出たらまたやるからな」
辞めてくれたけど、そうしたら今度は激しく突かれる事でタイルの上にある背中の痛みを思い出して唸った。だけどそれよりこの赤く腫れたチンコをどうにかしたくて、兄にしがみつきながら自分も腰を揺らした。
「はっ、あっ、あっあっ、お兄ちゃ、お兄ちゃ、あっううっ、きもち、っ」
「っおい、ニート、出たらまたやるっつったからな、っはっ、さっきのまた始めるとか言ったらっ、殴るっ」
「いわないぃっ、言わないよっ、またエッチする、する、したいもっ、ああっ、」
「いいこだなっ、最初からそうしろよっ、はっあっ、ほらいけっ、」
俺の両肩に手を置いて、グリグリとこれ以上入らないってくらい奥までチンコを入れられて、苦しいのに気持ちいい。
「ンーッあっ、あっあっ、いっぱ、いっぱい、きもちっあっまっ、まって、いくっいくぅっ、」
「ん、俺も、俺もいくからっ、はぁっはあっ、めんどくさいから外出すぞっ、」
「あっ、えっ、あうっ、なんで、っ、中っ中でいいのにっ、」
「どうせ俺が処理すんだろっ、はっ、やだよっ、」
「あっあっあっあっ、いじわる、あっうっ、おにちゃ、あっあっ、いくっ、あっ、あ゛ーっ、あ゛ーっ、」
足をピンッと伸ばして、溜め込んだ精液がこぷっこぷっと溢れるように出ていった。お尻の穴は痙攣して収縮している。
「うっあ、やべっ、はあっ、だすぞ、ぐっ、はあっ、うっ、」
締まる穴からジュボッと音を立てながら抜いて、お互いの三日分の精液がお腹の上で混じり合った。

「うう、痛い背中痛い」
「我慢しろよお前が誘ったのが悪い」
「ヒロ兄だってしたかったくせに」
「ああ?風呂ではなるべくしたくねーんだよ」
向かい合わせに浸かってる兄から、そんなの今更だってぷいっと顔をそむけると思い切り顔を湯の中に沈められた。
それからしばらくギャアギャアやっていると、外から母さんの早く上がれコールがなったから慌てて出た。大きめのバスタオルで兄に全身を拭かれていると(もちろん乱暴にだ)、そのままクルクルと巻かれて、
「まだ終わってねーかんな。そのまま俺の部屋直行しろ」
母さんにはもう部屋に篭ったっつっとくから、と性欲魔人の凶悪絶倫兄が囁く。それに溜息をつきながらリビングに散りばめられたパズルに思いを馳せた。
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