「……お前らが俺と戦う正義のヒーローか?」

「そうよ」

「マジウケる。どう考えても俺たちしかいなくね?」

「………」

「そうだ、俺様と下僕達がヒーローだ!」

「貴方は何を言ってるんですか。私たちは兄弟であって下僕じゃないと何回言えば分かるんです?」

「きょ、兄弟?」

「そうよっ。あたし達五つ子なの。うふっ」

「五つ子!?似てねぇな。つか五つ子って初めて見た…じゃねぇよっ!お前ら何だよその格好!めちゃくちゃ私服じゃんか!」

「あ?当たり前だろ。あんなダッセースーツ着れるか」

「マジありえないよねー。あそこまでダサイの考えるなんてある意味神じゃね?」

「スーツ着ねぇと誰が何色か分かんねぇだろ!」

「………」

「その点はご心配なく。ちゃんと各自テーマカラーを身に着けておりますので」

「……じゃあお前は何色だ?」

「私は見ての通り、イエローです。髪が金でしょう?」

「髪で分かるかっ!イエローならカレー持っとけよ!」

「あ゙ぁん!?カレーは俺様の専売特許なんだよバカがっ!」

「ひっ!おっ、お前カレーって…何色だ?」

「俺様はレッドだ!」

「おい、どこに赤色があるんだよ」

「カレーに入れた唐辛子は真っ赤だったぜ」

「カレーに入れたら分かんねぇだろ!持っとけよ!いっその事唐辛子持っとけよ!」

「はぁ?唐辛子持ち歩いてたらただの変人じゃねぇか。テメェバカだろバーカ」

「くぅっ、正論言われたっ…」

「ハイハーイ!俺っちブラックー!」

「それは見てて分かった。服黒いからな。…でもそのデカイ奴も服黒いぞ」

「ぶっぶー。この子はピンクでしたー。ほら見て見てっ。ややこいから靴紐をピンクにしちった。マジヤバくね?」

「ヤベェよやめてやれよっ!何でこいつの靴紐をパステルピンクに変えるんだよ可哀想だろっ!」

「えー、だってピンクだしぃ」

「じゃあ他にピンクのもん持たせりゃ良いだろっ。おいお前も何か言えよっ。靴紐ピンクで良いのか!?」

「………」

「親指立てた!」

「だよねぇ。この靴紐マジヤバイしさすがって感じじゃね?」

「だぁぁぁっ!何でどいつもまともじゃねぇんだよぉぉっ!」

「あら、あたしはまともよ」

「(改めて見たら美人だっ)…な、何色ですか?」

「ふふ、何色だと思う?」

「えっと…あ、指輪の宝石がサファイアだから…ブルー?」

「正解よ。ね、あたしはまともでしょう?」

「でも女性のあなたがピンクの方が…」

「あたしは青が好きなの」

「よ、よく似合ってます!」

「おーい、悪が騙されんじゃねぇぞ」

「ぷはははは!アンタ単純過ぎてマジヤバイって!」

「………」

「男ですよ、その人」

「は?」

「だからオカマだっつってんだよ」

「ゴルァ誰がオカマじゃっ!あんま調子乗っとるとケツ掘るぞあ゙ぁんっ!?」

「ひぃぃっ!」

「地が出てますよ」

「あらやだいっけなーい。ごめんなさいねぇ?」

「何だよもうっ、まともなっまともな奴いないのかよぉっ!」

「それをおっしゃるなら貴方もまともとは言えませんよ?」

「え?」

「何で悪役が全身白いんだよ。そこは黒だろ」

「あ…それは白が好きだから」

「……」

「何それ可愛くね?つかアンタちんちくりーんでちょー弱そーっ。俺ら強いから戦ったらマジ秒殺もんよ」

「!?」

「……こいつ持って帰るか。なぁ兄貴」

「お姉様とおっしゃい。あたしもそう考えてたのよ。もぉー、食べちゃいたいわぁ」

「はぁっ!?何考えてんだよっ!おいイエロー、あいつらおかしいんじゃねぇかっ」

「いえ、兄さん達は正常です。私も是非持ち帰りたいと思っていました…一目惚れって、本当にあるんですね」

「何言っちゃってんだよお前ぇぇっ!」

「えー、お兄たちも気に入ってたのー?後でこっそり監禁して俺っち好みに調教しようと思ってたのにマジありえねぇ」

「お前が有り得ねぇよ!さらっと一番最低な事言ってるぞっ!お前に監禁されるぐらいなら持ち帰られた方が良いわ!」

「おっ、じゃあ決定だな!テメェを飼う!」

「今のは言葉の文だふざけんなぁあああ!こうなったらピンク、お前だけが頼りだっ。こいつらに何とか言ってやれ!」

「………これ、欲しい」

「欲しいじゃねぇよぉぉっ!やっと喋ったと思ったら何言ってんだよ!もう喋んなバカっ!」

「……」

「あーっ、お兄がしょげちゃったじゃんかぁ。マジ許すまじじゃね?」

「おやおや、私の弟に何て事を…いけない子ですね」

「えっ、あっ…わ、悪ぃ。言い過ぎた」

「兄さん、この可愛い悪役さんにはお仕置きしないといけませんね」

「へ?」

「ああ、そうだな。それに悪を退治するのが俺様たちの仕事だ」

「ちょっ、お、お前ら怖いって!正義のヒーローの顔じゃねぇよっ」

「あらぁ、悪を排除する立派なヒーローよぉ」

「うぉっ!ちょっ、担ぐなよお前力強いなっ!」

「長男…やだ間違えたわ。長女ですもの」

「おいテメェ、まずは俺のカレー食えよ」

「その後は私が隅々綺麗にしてあげますね。楽しみですねぇ」

「………」

「白い服を俺っち色に染めてあげるからマジ覚悟しろって」




正義のヒーローのお陰で今日も世界は平和です。




「だっ、誰か助けてぇぇぇえええっ!!」




back


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -