嫉妬







砂月「おいチビ」

翔 「何だよ」

砂月「暑い」

翔 「…はぁ」

   このやり取り何回目なんだろうな、全く。

   確かに今日はいつもより少し気温が高いから

   暑い気持ちも分かる、つか俺も暑い。

   でも暑いのは気温のせいだけじゃねぇって事、

   砂月も分かってるだろうが。

翔 「暑いなら俺から離れろよ、何でくっついてんだ」

砂月「あー…御前冷たいかと思って」

翔 「俺死んでねぇし。冷たく無いから離れろ離れろ」

   軽くしっしっとあしらってみる。

   でも砂月はぶすっとした表情になっただけで

   俺から離れようとしない。

   何でこんなに今日は甘えて来るんだよ…。

翔 「どうした?何かあったのか?」

   半ば無理矢理砂月を剥がして向かい合わせになる。

砂月「別に、何も無いけど」

翔 「明らかに不機嫌そうな態度で言うなよ」

砂月「…昨日の番組見た」

翔 「は?」

砂月「昨日の、御前と、那月、出てたやつ」

   途切れ途切れに言う砂月。

   昨日…あぁ、バラエティ番組か。

   『激マズ料理を作ってみよう!』って言うテーマで

   不味い料理作ったっけ。

   まぁわざと不味く作らなくても殺人的だったんだけどな。

   …うわ味思い出した、最悪。

翔 「それがどうしたんだ?」

砂月「御前と那月がハグしてた」

翔 「ああ…でもそれはいつもの事だし、砂月も分かってるだろ?」

砂月「那月と間接キスしてた」

翔 「それはいちいち箸とか持ってくるの面倒だったから」

砂月「……………」

   黙り込む砂月。

   珍しく眉を下げて俯いた姿は、可愛くて。

   抱き締めたい衝動を抑えて、落ち着いて聞いてみた。

翔 「…嫉妬ってやつ?」

砂月「な…っ!」

   一気に頬が紅色に染まる。

   ―図星、か。

   ふふ、と笑うと俺は砂月を抱き締めた。

砂月「…何だよいきなり」

翔 「とか言いつつ御前もしっかり抱き締めてんじゃん?」

砂月「……」

翔 「…なぁ砂月、俺最近言って無かったんだけど…」




















   ―――――俺の大切は、御前だけだから。





















----------------------------------------------------------------------

翔砂…になってしまった。

砂翔にするつもりだったのに笑






- 1 -


[*前] | [次#]
ページ: