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くるくる

 崩されていく。
 削られていく。
 自分自身が。
 潰されていく。
 壊されていく。
 自分自身が。

 お前だけは、そうはならないと信じていた。信じていたのに。
 人間の弱さというのか、これが。
 いや、お前のしようとしている光景から、俺が声を上げることもできず、目をそらしたからいけなかったのか。
 俺が弱かったから、こうなってしまったのか。
 
 みんな力を欲望のままに欲しがり、
 みんな狂っていってしまった。 
 お前さえも。
 知っている。俺は。
 俺が、かつてのお前を欲していることを。
 それは永遠に得られなくなってしまったのに、
 それでも求めてしまう、自分自身を。
 きっと、俺も狂っていくのだろう。
 そのうち狂う自覚さえもなくなるのだろう。

 人間とは、こうも弱い生き物だったのか?
 人間とは、こうも愚かな生き物だったのか?

 ――なぜ、お前は俺を置いていった?

fin.

あとがき

ED3直前、アキラの絶望。
シキが狂ったそのとき、アキラの精神は既に限界超えてるんじゃないでしょうか。
狂ったケイスケが自分の血で死んでしまって、何もかもなくなった自分を拾ってくれたシキまでも狂ってしまったらもう(涙)
狂っていくとわかっていながら、壊されていく絶望感や恐怖は想像を絶するものだったと思います。

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