11




年も明けて生徒たちがホグワーツにもどってきた。暗い顔をした生徒たちはグリフィンドールのハーマイオニー・グレンジャーの姿が見えないと騒ぎ立てた。ハーマイオニーと入れ替わる様に医務室から帰ってきたディアナが 具合が悪くて医務室にいるわよ、と言えば皆安心を確かめるようにして医務室を覗きに行ってしまった。
ハーマイオニーの状態を知っているディアナは、これは気が気でないだろうと申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
休暇の間に仲良くなったジニーに日記を渡してもらおうと説得しに行って、もう捨ててしまったと告白されたのもディアナの気を重くする原因だった。
今年の行動は、なんだが後手にまわっているような気がする。


年末の暴行未遂に関しては、フェブリーがディアナに5メートル以内に近づくことを禁止とし、近づいた場合はフェブリーが魔法の攻略によって男子トイレに強制転送されることとなった。
学校としては大ごとにしたくなかったのだろう、ディアナの背後にいるルシウスの影をちらちらと伺っている様子だったので、ディアナから親への通達はしなくて良いと言ったのだ。
幸い詳しい事情を知るものは本人たちと教師陣だけだったので、早いうちに収束した。


ロックハートの出しゃばったバレンタインも過ぎたころ、秘密の部屋の継承者に2人の生徒が襲われた。
ディアナはセブルスに呼び出されてセブルスの部屋に来ていた。



「本当にお前じゃないんだな?」
「んもう、しつこいですわ。最初から言っているじゃないですか…襲われたペネロピーはうちのクラブの子ですのよ!」

図書室の前で石になっていたのはペネロピー・クリアウォーターとハーマイオニー・グレンジャーだった。
ディアナが弁明するも、セブルスが暗い瞳でみつめてくる。まるで正直に話さないとお茶も淹れてやらん、とでも言うように。


「クラブでいざこざがあったとメアリ・マークルが言っていたが?」
「ペネロピーがお茶をわたしの上でこぼしただけですわよ、謝ってもらってそれで終わり」

教師陣も警戒は強めているが正体がわからないのでお手上げ状態らしい。幸いまだ死人は出ていないが、これからいつ犠牲者が出るともわからない。


「校長先生は、教授になにも言ってこないんでしょう?それなら大丈夫ですわよ」


ディアナもそう慰める他なかった。今年の夢は、ひたすら蛇に狙われ続ける夢なのだから。赤い目の大蛇が逃げても逃げてもディアナーー子猫を追ってくる。
その夢をセブルスにも話せば、セブルスは思案するように唇を噛んだ。


「これ以上怪我人が出ればホグワーツは封鎖されるだろう。今魔法省大臣が視察にきている」
「あら、じゃあお父さまも来てますのね」


学校の理事代表としてファッジ大臣に付いてくるだろうことは予見できる。



「頼む、知っていることがあるなら教えてくれ」



目を伏せて嘆願するセブルスにディアナは口をとじて、哀しそうな目をするしかなかった。










戻る
/

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -