06



クリスマス休暇も終わって、休暇中にどこへ行っただとか誰と会っただとか騒がしかったのも数日経てば落ちついた。
それでもしばらく経てばクィディッチのリーグ戦が再開するのでまた活気付く。今年のグリフィンドールは期待のシーカーがいるために、スリザリンもピリピリしていた。





「でも教授のピリピリはそれだけじゃないんでしょうね?」


魔法薬学の片付けを手伝いながら尋ねれば、セブルスは訝しげに手を止めた。授業が終わって外に出るときにクィレルの影があったので、ディアナは時間をずらして帰ることにしたのだ。

「前回 ポッターの箒が暴走したから、それを用心して審判をかって出たんでしょう?」


スリザリンではそのニュースで談話室がわいた。寮監がポッターを牽制し、今年も優勝杯はスリザリンのものになるのだと。
ドラコなんかは、自分がまだ選手になれなくて悔しい思いをしていたから大喜びだった。


「…何を勘違いしているのやら」
「スリザリンの寮監様は素直じゃないですわ。あ、これ誕生日プレゼントです」


鞄から包装された包みを出して手渡す。
中身はクリスタル製の試験管セットだった。これがあれば中の薬品は劣化しないのだ。
地味に嬉しかったのだろう、セブルスは突き返すことなく受け取ってくれた。


「ハッピーバースデイ」
「子どもには高価だったろう」
「お父様と選んだので、わたしからは気持ちだけなんですのよ」


正直に話せば、セブルスは納得したようにうなづいた。





クィレルの姿が見えなくなったのを確認して、ディアナは教室を出た。
クィレルのターバンの下には帝王がいる。
接触されてディアナの予知夢もとい知識を話すように求めるだろう。慎重にいきたいところだった。


「賢者の石…」


あんなに醜く成り果てても生きていたいものなのだろうか。前世を孤児院で過ごし勝手に親近感が湧いているディアナとしては哀しいことだった。







ハリーは隠れて見ていたことを報らせねばと急いでグリフィンドール寮に駆け戻った。
2人の友人は図書館から借りてきた本をそれぞれ捲りながら ニコラス・フラメルの名を探している。

「マルフォイの姉もグルだったんだ!さっき魔法薬学の教室でスネイプと話していた!」


ディアナ・マルフォイが?とハーマイオニーが確認のために聞き返すと、その名前を聞いてロンが赤面した。
入学当初にたすけてもらってから、あこがれているのを2人はよく知っていた。


「それに賢者の石のことも知っているみたいだった」
「彼女はとても頭がいいもの、ただ知識として知っているのかもしれないわ」
「けどスネイプと話していた、彼女はスリザリンだぞ!」
「でも…僕に道をおしえてくれたよ」


話しがややこしくなる気がして「僕たち、だろ」とロンを牽制する。
闇の陣営に石を渡すわけにはいかない、と3人は一層 ニコラス・フラメル探しに精を出した。










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