06




セブルスを目の敵にしているベラと のらりくらりと躱すセブルス、それを見てわらっているヴォルデモートを父の腕の中から見て、ここまでが帝王の暇潰しだったらしい、とディアナは悟る。
ルシウスもセブルスも同感のようで、胸をなでおろした。


「我が君、このような遊びをせずとも…」
「腹心の部下が手塩をかけている魔女がいると聞けば、興味はわくだろう?」
「まだ小さな子どもです」


セブルスが困ったように帝王を諭す。


「魔力は上等だな、あとは顔立ちも…さすがルシウスの子ではある」
「は…、勿体無いお言葉」
「花…妖精呪文か? ルシウス、子どもに杖を持たせないのか」
「この子はまだ2歳です、早すぎます!」
「こんなに魔力を漏れ出させておいて、早いも遅いもないだろう」


魔法があらわれるのが、普通はプライマリースクールに入る辺りらしい。2歳で花をとばすディアナはかなり早熟だった。


「純血の魔法族は年々減っている。優秀な魔女に育てば我が軍勢にとってこんなによろこばしいことはない」
「…は」

上機嫌な帝王は、セブルスを残らせ後の3人を下がらせた。いきなり部屋に入ったことについてもお咎めなしだ。




「マイロード…」

大方、ベラトリックスから「セブルスから秘密裏に魔法のレッスンを受けているらしい」と聞き及んで興味を持ったのだろう。帝王らしい。
今日のレッスンのために支度をしていると、暖炉からナルシッサの必死の形相が浮かんだのには驚いた。ベラトリックスが姪っ子であるディアナを攫っていったというのにも驚いた。ルシウスと探してみれば、帝王の屋敷にたどり着いてあわてて部屋に押し入ったのだった。


「あの子ども、部屋に連れてこられてから出口をさがしていた」

目線を 入ってきた扉ーー子どもの力では開かない、窓ーーこの部屋には窓を消してある、部屋にいる人数を確認していた。これが子どもか?
可笑しそうに笑う帝王にセブルスは まさか、と眉をあげた。自分の前でディアナはあどけない子どもだったからだ。



「セブルス、楽しみにしているぞ」





その頃マルフォイ邸では気のたったナルシッサにベラトリックスとルシウスが魔法でクッションをぶつけられていた。












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