セブルスの唇が荒れていたので リップクリームを贈った。
リップクリームといっても、繰り出し式のおしゃれなものではなくて、軟膏容器に入った 白色ワセリンに保湿成分を加えたシンプルなものなのだが。

セブルスは過度な干渉を嫌う。しかし割れて血が滲んでいるのをみたら さすがに口を出さずにはいられなかった…のだが、しっかり使ってくれているらしい。ひび割れは治り、男性らしいうすい唇はしっとりとして健やかだ。


ほうけたようにセブルスの口元をみていたら、セブルスが近寄ってきて 影がおちる。


「…っ!?」
「物欲しそうな顔をしていたものでな」


あと クリームのお礼だ、とセブルスは悪戯な顔で笑っていた。
カサついたそれではなく、やわらかくしっとりした唇の感触を思い起こしながらディアナは顔を覆った。











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