グリフィンドール寮は今日も賑やかだ。今日の場合は 談話室ではなく、男子寮である。よく似た赤毛の兄弟とその友人のドレッドヘアの青年がにやにやとあやしい笑みを浮かべながら声を潜めて話している。
その様子を通りがかった赤毛の弟とメガネの少年が見とがめて、声をかけにいく。


「フレッド、ジョージ、リー。また悪戯の計画かい?」
「やぁ ハリー」
「おや、我らがかわいいロニー坊やもいるな」
「君らにはまだ早い話だよ、お子さまはあっちへお行き」


門前払いをくらってムッとするロンを、リーはくすくすと笑っている。双子は「そういうところさ」とにやにやして肩をすくめた。


「君たちだって成人してない『お子さま』じゃないか!」
「そういうのじゃあ ないんだなあ」
「ロニー坊やは疎いだろう…ほら、男女のアレだよ」

フレッドの例えがなんだか妙に想像力を掻き立てて、ハリーとロンは息を飲んだ。

「ハリーとロンが知りたいならいいんじゃないか?」
「リーが言うなら いいけどさ。スリザリンの女王さまがいるだろ。何サイズなんだろうって話してたんだ」
「何サイズって 足?」
「ロニー坊や!だから君はロニー坊やなのさ!」


双子が芝居掛かった様子でロンを掻き抱いて 頭をよしよしとなで付ける。ロンはまた一気に不機嫌に逆戻りだ。


「ローブを着込んであまり目立たないが、薄着になるとわかる 形のいい胸元!」
「おお 夢の詰まったその谷間!何人の男が夢に抱いたか!!」
「マルフォイってすれ違うといい匂いするしなぁ。柔らかくてめっちゃイイんだろうな…」

リーの漏れ出た妄想に 上級生の下世話な熱に当てられたハリーとロンがゴクリ、と生唾を飲む。やはり2人にはこの話題は早かったようだ。特にロンはディアナに対して憧れをもっているから余計だろう。

「大きさでいったらうちのアンジェリーナだな」
「双子たちなんの話ししてんの? 」
「いやいや 大きさより形じゃね?」
「ぼくはスレンダーな方が好きだな」
「俺、髪型フェチだな。ポニーテールってかわいいよ!」


どんどんと生徒たちが増えてきて、収集が付かなくなってきた頃。赤毛の双子がパンパン、と手拍子を打って騒ついていたその場を収める。


「まー!盛りのついた野郎どもは嫌だね ジョージ!」
「そうだな、フレッド。女は見た目じゃない、中身だ…そうだろ、ボーイズ!」

「「「お前らが発端だろ!」」」



グリフィンドール男子寮は今日も平和である。












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