日本旅行1


「セブ、海外旅行に行きたいのだけど」
「1人でかね?」
「そのつもりだけど、セブと休みが合えば一緒に?」

窺うように上目遣いになるディアナを横目に見て、旅行の日取りを尋ねた。数ヶ月後なので予定はどうにでもなる。


「何をしに行くんだね」
「トヨハシテングの…」
「クィディッチ?」

飛行術が苦手なディアナはクィディッチも苦手意識を持っている。学生時代は 弟のドラコやボーイフレンドがクディッチ選手をしていたことから観戦はしていたが、「タックルとか痛そうじゃない。野蛮だわ」とティータイムに話していたのを覚えている。
そんなディアナが、なぜ異国のチームを見に行くのだろうか。


「トヨハシテングの箒メーカーが、横乗り専用の箒をつくったんですわ。見に行って、良かったら買ってみようかと思って」

イギリスの箒店には輸入されていないのだという。


「メインは温泉なんですけどね。いかがです?」
「いいだろう、丁度ジャパンの良質なドクダミを仕入れたいと思っていたところだ」
「ドクダミ?」
「アジアに分布しているが、ジャパンのものが1番臭いがキツく効能が強い」


ふーん そうなの、とドクダミには興味なさそうにして温泉に心を弾ませているディアナを、セブルスがあたたかい目で見ていた。


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