琥珀の熱をのみ下す r

セブルスは抱えていた帽子やら靴やらの箱、衣類の入った紙袋をリビングルームに下ろした。その全てがディアナが買ったものである。
通常ならば魔法で鞄に仕舞えばいいのだが、マグルのショップでの買い物だったので セブルスが荷物持ちをして 地下鉄で帰ってきたというわけだ。
当の本人はセブルスの頬にキスをして礼を伝えた後、帰り際に買ったボトルをキッチンのセラーに片しに行っている。セブルスは息をついて固まった肩を回した。
仕事で忙しくしていたディアナが息抜きとして 嬉々とショッピングしている姿は愛らしい。男の自分としては退屈ではあるが、その姿はマグルの街中で荷物持ちをするにしても十分に価値がある。とは 言ってもだ。

コツ、とヒールを鳴らしてディアナがキッチンから戻ってくる。この家は寝室以外は土足である。
今日の服装は 白のリボンタイブラウスに 黒のパンツ。緩められたタイから見える滑らかな肌に セブルスは目を細める。


「ああ セブ!今日は本当にありがとう、…あら、どうかしましたの?」


満足そうな笑顔でキッチンからもどってきたディアナが はたと立ち止まり小首を傾げる。セブルスが帰ってきて荷物を置いたままの姿で、リビングに突っ立っているからだろう。
サマージャケットを脱がせようとセブルスの襟元に手を伸ばしたディアナの白い手を掴む。整えられてベージュに塗られた指先が美しい。そのまま引き寄せて口付けた。


「ポーター(荷物持ち)にチップもないのかね?」
「あら、だから拗ねていたんですの。ご褒美ね、どうぞ?」
「では 遠慮なく」

セブルスはその細い腰を引き寄せて 赤いルージュをひいたくちびるに食らいついた。頭の隅を ショッピングの最中に気に入らない目つきでディアナを追っていた男たちの姿が浮かぶ。その下卑た目の色に 心の中で呪いをもう一度唱えた。当たり散らすようでよろしくない、とは分かっているがどうにも収まりがつかない。マグルたちの汚い視線にディアナが穢されてしまったような気さえする。いや、本当は分かっている。美しく、将来のある彼女のパートナーが自分で良いのかという不安がじわじわと心を締め付けてくる。
首に回ったディアナの腕を確認して その体を抱えた。


「えっ セブ?!」
「では 頂こうか」


これは わたしのものだと その白い喉元にくちびるを這わせた。




ベッドに連れ込んで丁寧に服を脱がされ、マーキングでもするかのように擦り寄られ、後頭部を甘噛みされ、肌を食まれる。いや、マーキングそのものなのかもしれない。
セブルスは 買い物途中に 通りの反対側のカフェを睨みつけていた。そこにはお茶をしていた男性たちが居づらそうにカップを傾けていた。
後ろから抱えるようにして、挿入される。たっぷりと濡れていたそこは容易にセブルスを受け入れた。甘い吐息が漏れる。
胸に這わされた神経質そうな節くれだった手に ディアナが手を添える。そんなに不安がらなくてもいいのに。
淡いグレーのシャツにサマージャケット。ワックスで後ろに流されたブルネットはとても色気があった。今日のデートを思い出して、ディアナは きゅっと指先を握る。


「…あんまり煽るな」
「だって セブが素敵なんですもの」

強く抱きかかえられて、ぬめるそこが ぐちゅりと音を立てた。子宮口に先が当たって頭の中で火花が散る。その快楽のせいで背を反らせてしまって、よりセブルスを締め付ける。ああ、昂ぶった雄の形がわかってしまうほどに。それを奥に奥に、と腰を押し付けられてしまうのだから堪らない。あとは丸い尻を揺らして快楽を追いかけるだけだった。

「うあっ んんっ!」
「…はっ くぅ、」

腰を押さえつけられて、深いところに精を注ぎ込まれる。ナカで跳ねる雄に ディアナも一度二度と絶頂する。ゆるゆると脱力していく腕の重みが愛しくて、乱れた呼吸を整えながら 背後のセブルスにゆるゆると手を伸ばした。


「チップ、渡しすぎたわね?」

一眠りしたら付き合ってね、おいしいシェリー酒を買ったんだから。

頭のてっぺんにキスを落とされるのを感じて、ディアナは緩やかに笑った。


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