「大親友同盟や!」

「おー!」



「お…ぉ?」

…夢か

わたしたちが熊本に来る前の夢
懐かしいなぁ、と顔が綻ぶ

わたしたちの大親友2人、侑士と謙也とは今も連絡を取り合っている。
侑士は今は東京の中学に通っているらしく、バレンタインには「俺、ほんま罪な男やでぇ」と沢山のチョコの写メを送って来たし、謙也にはテニス部の部長がいかにイケメンかを語られた(一瞬そっちの気があるのかと疑ったがすぐにちゃうわ!と怒鳴られた)

大阪からここに来て数年
ここはわたしたちの祖母も育ったところ。
大阪よりも妖怪は多いけど何とかやっていけている。

リーリーとコオロギの声が聞こえる。
時計の短い針は7を指していて、そんなに寝てしまっていたのかと体を起こす。
夕ご飯の支度くらい手伝わなきゃ

布団を端っこに寄せ(どうせ夜も使うでしょ)髪を整えていると襖のむこうから「葉月」と聞こえた。

「たか君、今帰ってきたの?」

襖が開いてたか君が入ってくる
いつもは学校から一緒に帰っているけれど今日はたか君が先に帰ってしまったのだ。たぶん妖怪のせいかな

「葉月に紹介したい奴がいるんだ」

紹介?まさか彼女?彼女だったらどうしよう。なんて挨拶したらいいかな、姉の葉月です。とか?
思考を巡らせていると再び葉月と呼ばれた。
たか君の「入ってきて」という言葉を聞いて襖から誰かが入ってくる。

まん丸なフォルム、大きな顔、三日月のような目、の

「…ねこ、?」

ねこちゃんだ。ちょっとブタっぽさは否めないがこれはねこちゃん
背中に茶色とオレンジの模様のある三毛猫ちゃん。ちょっとみたらし団子みたいだ

「たか君、このねこちゃん飼いたいってこと?こんなおデブさんなら自然界でも生きていけそうだけど…」
「こら!小娘!デブとはなんだ!このプリチーボディの魅力がわからんのか!」
「へ?」

妖怪?と呟くとそうだ!私は高貴な妖怪なのだ!と返ってきた

「えっと、たか君どうゆうこと?」

たか君は苦笑しながらその日の事を教えてくれた。
友人帳やわたしたちの祖母、夏目レイコさんのこと、妖怪に狙われる理由
そしてニャンコ先生。
見た目はおデブさんだが、たか君を助けてくれたらしい

「そっか、ニャンコ先生ありがとう」

頭を撫でるとふん!っと顔を背けられる。
よろしくしてやってもいいぞ!の言葉にわたしとたか君は顔を合わせて苦笑いした。
とんだツンデレちゃんだ

prevnext



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -