たか君と部屋に戻ると謙也と侑士がいた。

「2人とも出て行ってしまうん?」

話を聞いていたのか泣きそうな顔で謙也が呟く。

「俺達はいつかこの家を出なくちゃいけない。」

たか君の言う通りたとえ今出て行かなくてもいつか出て行くことになる。

「でも、怖いんだ。また、また追い出されるんじゃないかって。」
「ここが初めて出来た俺達の居場所なんだ。」

たか君の瞳から涙が零れ落ちる。
それにつられて謙也も泣きはじめた。

「せやったら、行かなければええやん!まだ、ここにおればええ!なぁ、侑士もそう思うやろ?」
「おん。でもな、俺、今行かないと2人は後悔すると思うねん。」

なんでや!と謙也が侑士に掴みかかる。

「侑士は2人がまた傷付いてもええんか!」
「ちゃうわ!俺かて2人が傷付くとこなんか見たないわ!だからこそ行った方がいいと思うんや。」
「あんな、藤原さん達な、2週間くらい前からほとんど毎日貴志と葉月を引き取りたい言うて来てたんや。葉月らに会わせられんから言うて俺の家に来てもらっててな。
おとんも謙也んとこのおとんも最初は断ってたんやけど、毎日毎日来てな、この人らなら2人を幸せに出来るて思ったから今日会わせたんや。」
ぽつりぽつりと侑士の口からこぼれる言葉。
「だからな、行った方がいいと思うんや。出て行ったってここは2人の居場所や。」
それに、俺らの絆は離れたくらいじゃ壊れへんやろ?


いつのまにか謙也とたか君の涙はとまっている。

「わたし、行こうと思う。」

わたしの言葉にたか君は一瞬びっくりしたようだが俺も。と呟いた。

「俺も行く。侑士の言う通り離れたくらいじゃ俺たちの絆は壊れない。」

せやったら、と今だ納得いかない表情の謙也が話し出す。

「せやったら、同盟組もうや!」
「同盟?」
「せや!離れても壊れないように!大親友同盟や!!」
「何やダサいんちゃう?」

ええねん!大親友同盟や!と腕を掲げる謙也につられみんな腕を掲げる。

「これで4人は大親友や!大親友同盟やで!!」

おー!!と声を揃えて叫ぶ。
悩んでいたのが嘘のようにみんなで笑い合った

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