小さい子供の頃から
耳をふさいでしまっていた部分がある


自分の心の声に。



どんなに痛くても、苦しくても、
これは自分が弱いからだと自分に言い聞かせて、
強くならなくちゃと奮い立たせて、

どこかで否定して生きてた。

だけど円堂は、
そんなボロボロのオレを何も言わないで抱き締めてくれた。
「よく頑張ったな」って
ただひたすらに抱き締めて、

こんな事を言うのはおかしいのかもしれないけど、
それだけで全てが救われる…その時本気でそう思った。


知らず知らずのうちに自分の心につけてしまっていたキズも
思い込みも、
確かにその時は自分に必要で
そうせざるを得なかったのだ。
自分を守るために。




だけどその時の感情も、
痛みも
もうきっと自由になりたくて

今ならありがとうと
穏やかな気持ちで手放せる。


「サヨナラ。」






風が吹いた。

______



少し遠くで、
でも駆け寄ればすぐの位置で、
大好きな人の声がした…─







円佐久の日記念に。2が終わり、3が動き出す少し前のお話…
のつもりで書きましたが
10年後とかでもいいかもしれません。円佐久ラブ!

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