たまに円堂は、
本当に時々なんだけど

凄く辛そうな、切なそうな顔をしてオレに触れる。




一度だけ。

あれは夢だったのかもしれない。

だけど、うっすらとした意識の中で確かに聞いた。



『おまえを失う以上につらい事なんて
今のオレには無いんだ…佐久間、
だから絶対、絶対戻ってきてくれ…!』


真・帝国での雷門戦。
生きているのが不思議なほどに消耗して手術を受け、入院していた時のこと。
どこかで
多分意識のどこかで確かにそれを聞いた。

多分あの時円堂は泣いていた。




ごめんなさい。
オレは心配ばかりかけて

あんなに惨めに負けて病院送りになった世宇子戦でも。
その後も。

四国に出向いた時も心配をかけたくなくて
何も告げずに発った。

馬鹿だった。
でもその時は正しいハズで

下手したら二度と会えなくなっていたかもしれないのに



離れたくない。そばにいたい。

もうどこにもいかないから
ずっとそばにいるから、

あやまるから、オレの全部で






「佐久間…ごめん、
泣かせちまった…」


「円堂だって…泣いてる…
ごめん…オレが」


オレがもっと
ちゃんとしていたら

もっと強かったら


「いい。」

「え?」

「そんな事しなくていい。」

「円堂?」

「お前、また自分を責めて、いるんだろう?
いいんだ、そんな事するな。しなくていい」

「えん…」

「オレの前でそんな事、思わなくていい。」

「円堂…」


どうして分かっちゃうんだ?
嬉しくて、でも苦しいよ

オレにも円堂を安心させられるくらいの力があればよかったのに



この気持ちがまた、
それを遠ざけてしまっているって

わかっているのに



再びあわせた唇は涙の味がした─










しゃべらなくてもこの話題だとお互いの感覚が筒抜け…
何がかきたかったのかよくわからない内容になってしまった。
しかし後味が…もっと甘い話が書きたいです

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