「オレは、円堂の手が好きだよ。」 食後、部屋に2人で。 いつもみたいにのんびりくつろいで佐久間の頭を撫でていたら。 撫でていた手にあたまをこすりつけられて、おまけにちゅ、と唇をあててきた。 な、ななななんなんだ?! うわっかわいい、 「佐久間、」 「もちろん、円堂の事は全部好きだけど、円堂の手に触られると すごく幸せな気持ちになるんだ。」 「そっか…」 反則だ。 そんなトロン、ってした目で そんなに幸せそうにして こんなにもなついてくれるなんて。 初めて対峙した時のことを思い出す オレは弱小チームのキャプテンでキーパーで、 対する佐久間は40年間無敗の帝国の、連携の要でストライカーで、 それが今ではこんな風に近くにいる事が、なんだかとても不思議な事のように感じられて。 一緒にいるのが当たり前になっているけれど、 これはとんでもなく凄い事なんではないかと、 歩いてきた道が険しかった分だけ、余計に強くそう感じた。 「円堂…?」 抱き締める腕に知らず知らずのうちに力がこもって、 佐久間が少し苦しそうに、それよりも少し心配そうに、 オレの名前を呼んできた。 かすれて、妙な色気をもった声。 それがオレの鼓膜を甘く苦く揺らして 何故だかどうしようもない気持ちになって、 腰掛けていたベッドにそのまま佐久間を押し倒して、その唇を塞いだ。 色々あったぶん時々込み上げてくるものがあるんです。 底抜けに甘い話を書こうとしたのに! どうしてこうなった 続きます、 |