抑えきれないこの想い/拍手ログ 好きっていっても種類はいろいろだ。家族に対する好き友達に対する好き、恋人に対する好き、俺の場合はなんだろう、てか、その前に好きとかありえない! あいつは俺の天敵であってむしろ嫌いな部類にはいる!……はずだったのに。 気づけば自分の気持ちをごまかせないくらいになっていた。……俺はあいつが……星の事が好き…みたいだ。 しかも恋愛感情で、だ。もちろん、どうにかしたいってわけじゃない。むしろ気持ちを悟られないように隠しとおさなければならない。 俺にはニノさんという恋人がいる、そして俺もあいつも男同士、それに・・・ 「……嫌われたく…ない。」 自分の気持ちに気づいてからは星への態度があからさまに変わってたようだ、俺自身まったく気づいていなかった。 気持ちを押し込めるのにいっぱいいっぱいだったから。 「……おい、リク!」 「…、あっ悪い俺、用事思い出した。」 避けるしか誤魔化す方法が思い付かなかった。 「リク…、くそっなんなんだよ!」 部屋に戻り、俺はソファーに横になる。こんなにしんどいとは思わなかった、自分の気持ちを誤魔化すのがこんなに……。 「……どうしたらいいかわかんない…」 「…何が」 突然ドアのほうから声が聞こえた。いつの間にか星が佇んでいた。 「お、お前勝手に入ってくんなっ、ノックくらい」 「した、でもお前考え事してて気づかなかったんだろ?」 「………」 訪問者に気づかないくらい頭の中はぐるぐるしていたらしい、しかもよりによって訪問者が今一番会いたくない星だった。 「……帰れよ、俺は忙しいんだ」 気づけば星が俺の目の前まできていた。ハッと顔を上げ、驚き戸惑った。 だって目の前の星は傷ついたような寂しそうな顔をしていたから。 「……ほ、ほし?」 「何なんだよお前」 「……えっ」 「俺が嫌いなら、はっきりそういえばいいだろ」 「……なっ」 なんて答えていいかわからない。 「顔もみたくないならはっきりそう言え!」 そう言って部屋を出ていこうとする星を気づいたらひき止めていた。 星の服の裾を思わず掴んでいた。離すことも出来ず、自分がした行動にも頭がついていかず、頭の中はパニック状態だ。 しかも目の奥から熱いものが込み上げてきて、必死にそれが溢れないようにするのにいっぱいいっぱいだったから、温かいものに包まれたのに気づくのに遅れた。 「…えっ」 俺を包んでいたのは星の腕だった。 「突き飛ばさないのか?」 耳元で囁かれ胸が張り裂けそうに高鳴る。答えることも突き飛ばすことも出来ない。 「嫌じゃないのか?」 「……」 「答えないのは肯定と見なすぞ」 「……」 「俺の事が好きか?」 「……」 次から次へと降ってくる質問に頭がついていかない。どうしよう、何か答えないと、と思っても無駄だった。 「俺はお前が好きだ…。」 もう限界だ、目の奥から熱いものが次から次へと溢れだしてとまらない。 「……お、れも」 そう言って星にしがみつくのがせいいっぱいだった。 fin. back |