●触れあい10題小話

1.デコピン(主綾)

「いたっ」
額を押さえながら隣を見ると何事もなかったように彼が前を見てあるいている。
「ひ、ひどいよー僕なにもしてないのに」
しかめっ面で彼に抗議をすると。思わぬ答えがかえってきた。
「お前がわるい、そんな可愛いこと言うから。」
最後のほうは声がちいさくなり聞き取りにくかったけど、確かにそう聞こえた。
「……えっ……今、」
「あーもういいから」
「で、でも可愛いって」
ビシッ
「いったー」
さらにデコピンをお見舞いされた。
「いいからもう黙れ」
「はーい」
満面の笑みで返事を返すとまたデコピンされそうになったので慌てて両手で額を押さえた。
もう一度言ってみたらどんな反応するかな・・・。
そんなことを思いながら赤くなってる彼の横顔を見て微笑んだ。

*何を言ったかはご想像にお任せします!

******

2.飛びつく(主綾)

「あ、あのっ、明日僕とで、デートしてくださいっ!」
少し考えてから、いいけどと答えてやると、信じられないって顔をしていた。
まぁホントにひさびさだから仕方ないのだろうけど、あろうことか
「ほ、ほんとにー!嬉しい!!!」といって綾時が俺に抱きついてきた、いや飛びついてきたと言ったほうがいいかも。
く、苦しい・・・。
「おいっ綾時、離せって」
「だ、だって嬉しいんだもん、ありがとー!」
「わかったから。」
あいつの背中をぽんぽん叩いて落ち着かせる。
「もういいだろ。ほら離せ。」
「う、うん・・・。」
しぶしぶといった感じで綾時が腕を離した、のも束の間。
「じゃ、じゃあ代わりにキスしてもいいよね?」と、
とんでもない事を言い出した。
「はぁ?」
「ね、いいでしょ?」
いいわけがない。まったくこいつの思考回路はどうなってるんだ、
ああ、アホだった。
綾時を無視してイヤホンを耳に当てた。
ちらっとあいつを見ると、まるで捨てられた子犬のように僕を見てる。
・・・・・・はぁ、めんどくさい。つけたばかりのイヤホンをそっとはずした。
「一回だけだからな!」
そういうと目をきらっきらさせてまた飛びついてきた。
「あのー2人ともオレっちいるんですけど・・・しかも、ここ教室なんですけど・・・。」
順平の声が聞こえた気がしたけど、今さらどうでもいい。
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