風邪は恋煩いのもと

リクが風邪を引いたらしい。
あれだけ、俺は体調管理もパーフェクトだからと誇示していたにもかかわらず風邪をひいたらしい。(2回言っておく)
「だから、なんでお前がここにいんだよっ!」
「ん?見舞いという名の嫌がらせ?」
「・・・・・・」
反論する元気もないらしい。思った以上に酷いのだろうか・・・。
リクはソファーに横になり薄い毛布を1枚被ってるだけだ、すぐ傍には風邪薬とペットボトルの水が置いてあった。
「誰か、来たのか?」
「…ん、……高井。」
あー、納得。
こんなときにあいつが頼るといえば、高井さんくらいなもんか。
ふと、ホっとしてる自分に気づき、ないないないと首をふる。
「……なにやってんだ、お前。」
「ハっ別になんでもねーよ、てかそろそろ戻るわ。」
「えっ?」
「あっ?どした。」
リクのほうを見ると毛布を顔半分まで被り、さっさと帰れバカっ!ともごもご呟いてる。
そっと、立ち上がり戻ろうとしたオレの背中に、ボソッと一言。
ほんとに、帰るのかよ……。バカ天体……。
そんなこと言われて帰れるほど俺は非情ではない。
「しゃーねーな、忙しい俺が寂しがってるリクたんの看病してやりますかぁー。」
「だ、だれが…!ゴホッ、ゴホッ」
「んな大きい声なんか出すからだ、お前は病人なんだから黙って寝とけ。」
珍しく、わかったと素直に反応したリクルートに驚きつつも、部屋の冷蔵庫にあった材料でお粥を作る。
「よし、こんなもんか。おいリクお前何も食ってないんだろ?ほらこれ食え」
うつらうつらしていたリクが俺の持ってきたお粥に視線を向けた。
「……それ、お前が?」
「ん?ああ、他に誰がいんの?」
「…お前…料理できたんだ」
「だてに一人で生活してたわけじゃねぇーからな」
リクルートの背中を起こし膝の上にお盆ごと乗せてやる。
「それ、食って薬のんでゆっくり寝とけ。しょーがねぇーからお前が寝るまでいてやっから。」
ちらっと俺の顔を見てまた視線をお粥にもどすと一口掬って口に運んだ。
「……星のくせに、」
「んあ?」
「……うまい。」
「当たり前だろ。さっさとくっちまえ。」
そんだけ食欲があれば大丈夫だろう。
「ほら、薬。」
差し出すとリクが渋い顔をした。
「ん?どーした。」
「……飲めない」
「はっ、何が?」
「粉……薬。」
なんだこいつ、どこまでおこちゃまなわけ?
少し考えてから思い付いた方法を試す。
言っとくがあいつが病人だからしかたなくだ、他意はない。
俺は思いきって、粉薬と水を自ら口に含むとリクの口にそれを流し込んだ。
驚き戸惑ってるリクを尻目にこぼれないように塞ぎ、薬を注ぎ込む。
「ンっ……んんっ」
ゴクリとリクの喉がなる。どうやら飲み込んだようだ。
唇をはなそうとした時、一瞬だけ舌と舌が触れた。
瞬間、痺れるような感覚に襲われ俺はもう一度リクの口を塞いでた。
「んっ、やめっ」
深く深く、くちづける。頭の中ではヤバイと危険信号が点滅してるのに身体が言うことを聞いてくれない。
風邪のせいかいつも以上に紅潮した頬と潤んだ瞳は俺をさらに煽る。
「はっ…んっ、ま、て、」
「悪ぃ、ムリ」
舌を絡め取り執拗に吸いつく。それだけでリクから抵抗を奪うのは充分だった。
しばらく堪能した後、俺は我に返った。
「あっ、リクっ!!!」
身体全体で息をしながらぐったりしているリクから漏れた言葉に、さらに煽られることになったのは言うまでもない。
――おまえに風邪うつったら困るだろ。
顔が真っ赤なのは風邪のせいだけじゃないと信じたい。

***

これは星に風邪がうつるフラグwww
星に風邪をうつしたくないりったんと早くうつして治せと思ってる星。
なんかもういい加減にして。甘すぎた。
もっと意地悪でドSな星が書きたいのにwww

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