ポッキーゲーム


たまたまタバコを買いに来たコンビニで今日がポッキーの日だと知る。
特別に飾り付けられたポッキーのコーナーを見ればいろんなポッキーが所狭しと並んでいた。まぁポッキーゲームなんてさせてくれるような相手ではないことはわかっているがからかいついでにポッキー1箱とタバコを一緒に購入する。トレーラーに戻り、どさりと今買ってきたものをベッドの上にほおった。なんとなく朝早く目覚めてしまったからまだ恒例のミサには時間がある。タバコを袋から出したついでにポッキーの箱も取り出した。せっかくだからちょっとからかいに行ってやろう。リクは多分まだ寝てるだろう。トレーラーを後にしリクの部屋の前まで来てそっと部屋のドアを開けた。もちろん鍵は開いている。鍵は以前はつけていたのだが村長やらシスターが鍵を壊すどころかドアを壊して侵入してきたため最善の策としてリクがとったのが鍵をかけないだった。あっさりと部屋の中へと入った俺はそっとソファーで眠るリクに近寄った。くっそかわいくねぇー寝顔と思いつつも思わず魅入ってしまうくらいには惚れているのだ。そっとポッキーの箱を開けて一本取り出した。バサッ。ふとソファーを見るとリクがびっくりした顔で俺の顔を見ていた。やべぇ起こしちまった。心ん中で思うももう遅い。「リクちゃんおはよー」声をかけてみる「何やってんだこの天体」やっぱり機嫌を悪くした。「何ってこれだよこれ」そう言ってポッキーの箱を差し出す。その瞬間何故かリクの顔が真っ赤になった。はてなマークを浮かべながら近づいて「何真っ赤になってんの?」と尋ねれば「なんでもねー」と布団をかぶったリクがぼそりと言う。なんだ変なやつ。布団をまくれば顔を見られたくないのか抵抗するリクに俺も向きになって布団をはがそうと躍起になった瞬間パサリと一冊の雑誌が落ちた。しかも丁寧に付箋が貼られた雑誌。そのページをめくろうと手を出した瞬間俺よりも早くリクの手がそれを奪い去っていった。「なっ」「見んなっ!」さっきより顔が赤いリクに原因はその雑誌にあるのだと悟った俺は即座に奪い返した「おまっバカ返せ星っ!」「返せって言われて返すバカがどこにいるんだよっ」付箋が貼っているページをひらけば「なるほどね」「ち、ちがうっ」「なーにが違うのかなー」「俺は別に」「ふーん、俺との想像しちゃったんだ」「してねぇ―よ馬鹿っ返せっ!!!」さらに顔を真っ赤にしてるリクはもう羞恥なのか怒りなのか区別がつかない。「しょうがねぇーなー」「・・・・・・」「ほら折角だから、んっ」とポッキーをくわえてリクの顔の前に差し出す。「だ、誰がやるかっ」とそっぽを向いてしまった。まったく素直じゃねぇーな。そしてくわえたポッキーをとりあえず食べさらにリクに近づいた「じゃあこっちで」「あっ?」振りむいた瞬間唇をかすめ取った。一瞬驚いたリクだったが特に抵抗もせずにあっさりと受け入れた。「お前、甘い」とリクが言ったからそれはこっちのセリフだと心の中で呟いた。好きなあの子とポッキーゲームと書かれた雑誌はもう俺たちには不要だ。
fin.

*****

あれ?ポッキーゲームしてない・・・。

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