思考回路

河川敷に住むようになって数ヶ月。
その間にもいろんなことがありすぎてもう何年もいるような気さえしてくる。
ここの生活にも慣れたころだ。
だけど、たったひとついまだに慣れないことがあった。
「おいっリクルート」
「なんだ星?」
「後でお前んとこ行くから」
「あ、ああ・・・。」
星は、それだけ言うとニノさんの名前を叫びながら歌を歌い始めた。
また新しい曲だろうか?
いまいち俺の美的音楽センスには合わないので(もちろん聴く気もないから)その場をあとにする。
暫くすると星が俺の部屋へやってきた。
「あいかわらず、何もない部屋だな!」
「だったら来んな!このひとで野郎!」
「はいはい、嘘ですよー!」
あいかわらず小馬鹿にした言い方にカチンとくる。
ふいっとそっぽを向けばすかさず後ろからぎゅっと抱きしめてくる。
「あれーひょっとして怒っちゃったの?リクちんは。」
「う、うるさいっ!」
「ほら、機嫌直してこっち向いて。」
頑なに拒んでいるといきなりソファーに押し倒された。
「なっ!!!」
「口で言っても分からない子はお仕置が必要だよなっ?」
いきなり俺様モードに変わるから心臓に悪い。
そしてすぐさま唇をふさがれる。
「ふっ・・・んんっ・・・」
強引に口付けられ息の仕方を忘れてしまう。
ドンドンと星の胸を叩けば一瞬離れまたすぐにふさがれる。
さっきよりもねっとりと舌を絡められれば、もう星のペースだ。
「んっ・・・はっ・・・。」
「もう・・・慣れた・・・?」
「慣れるわけ・・・ない・・・だ・・・んぁっ・・・」
自分のものとは思えないような声が漏れるたびに羞恥に苛まれる。
その声に気を良くした星はさらに深く口付けてくる。
どうしたらいいかもわからず必死に星の背中にしがみつく。
「ほ・・・し・・・」
名前を呼べばそれ合図に首筋、胸へと徐々に唇が降りてくる。
こいつのキスは何かの媚薬なんじゃないかとさえ思う。
このパーフェクトな俺がいまだに慣れないなんて、こんなことありえないから。
だけど、慣れないまま星に全て預けるのも悪くないとさえ思えるのだから。
俺の思考回路は完全にイカレてるのかもしれない。

back
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -