無自覚なのもほどほどに

「ここ最近リクは俺のトレーラーに頻繁にやってくる。
何をするでもなく俺の部屋で本を読んだりパソコンを弄ったり普段となんら変わらない事だったりする。
そしてある程度の時間になると決まって、寝むっちまう。
部屋が汚いだの狭いだの散々文句を言いながら。
だったら来なきゃいいだろと言っても、なぜかこうして毎日のようにやってくる。
返ってきた言葉が気楽だから。の一言だ。
「おい星!」
寝てたかと思ったリクの声が背中越しに聞こえてきて驚いた。
「なんだ?起きてたのか?」
「ああ悪いか。」
あー言えばこういう。さすがの俺もムッとする。ホント可愛くねぇーやつ!
なんだ?と聞けば言いづらそうにもじもじするだけだ。
「・・・それ」
「はっ?」
それってどれと聞き返すと今度は俺の顔に指をさしそれ・・・と言う。
俺?と聞くと違うっ!と少し顔を赤くして叫んだ。
「・・・マスクっ!」
「マスクがどうした?」
「・・・よこせ。」
「ふーんリクたんは俺に借りつくっちゃうんだ。」
茶化してやると。さらに顔を真っ赤にさせ言った。
「こ、こ、こ、恋人同士のあいだに貸し借りは・・・成立しないって言ったのは・・・お前だろ・・・。」
前言撤回やっぱりこいつは可愛い。
「そーでした。」
「だ、だから早く脱げ!」
「マスク貸してもいいけどもれなく俺もついてくるから!」
そう言ってリクを腕の中にしまいこんだ。
「けどよ、マスク触ってないと落ち着かないってどこのお子ちゃまですか?」
「うるさいっ!黙れっ!お前の匂いがするから安心するんだよ!」
今度は俺が赤くなる番だった。
無自覚なのもほどほどに。

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