顔に出ています

最近の俺はおかしい。気づけば星を目で追ってるし。ひとりの時はあいつの事ばかり考えてる。そこで俺はひとつの答えにたどり着いた。
「そっか!そこまで俺は星が嫌いだったんだ!」
なんだかスッキリしたような気さえしてくる。
そればかりか、たとえ星のことを目で追ってようがあいつのことで頭の中がいっぱいになろうが気にならなくなってきた。
「最近のリクは楽しそうだな。」
「ニノさん!わかりますか?そうなんですよ!ある問題が解決したので気分がいいんです。」
「おう!それは良かったな!」
そう言ってニノさんはまた魚を獲りに川へ潜っていった。
「なーにが気分がいいだ。」
「ほ!ほしっ!」
突然声をかけられて心臓が跳ね上がった。
うん。これは嫌いなやつにいきなり声をかけられたからだ。
「お前さぁー……」
それっきり星は黙ってしまった。
「は?なんだ、へんなやつ。」
「……リク?」
「あ?」
「お前あとから俺のトレーラーに来い、話があるから。」
話があるならお前が来いよ!と言う前に星はスタスタと歩いて行ってしまった。
「・・・なんで俺が!!!」
ドキリと胸が高鳴ったのはあいつのところになんか行きたくないからだ。
でもあいつに借りをつくるのは絶対に嫌だから俺はしかたなく星のトレーラーへと向かうことにした。
「おい、星?」
ドアをノックすると、中から入れと声がかかる。
中に入ると星はギターを弄っていた。
「話ってなんだ?」
「まぁ座れ。」
どこに座ろうか迷っていると、ここに座れ。と促された。
星は俺が隣に座ったのを見届けるとタバコに火をつけて吸い始める。
「あのさ…」
「なんだ?」
「お前さ、」
それっきりまた黙ってしまった。いい加減イライラしてきた俺ははっきり言えと催促する。
すると星はとんでもないことを言い出した。
「お前さ……俺の事好きだろ?」
「はっ?」
何言ってんだこいつ。
「なっ!そんなわけあるか!それどころか嫌いに決まってんだろっ!!!」
星は俺の言葉に苦笑した。
「だいたい、な、なんで俺がお前なんかを、す、す、好きとか……」
「お前自分で気づいてねぇーの?」
「はっ?何をだよ。」
「お前の顔に、俺の事好きだって書いてある。」
「えっ!!!」
俺は慌てて自分の顔を両手で触る。
それを見て星がふき出した。
「か、からかったのか!」
「お前ってホントおもしれぇーやつ。」
もういい帰る!そう言って俺は立ち上がろうとした。
「・・・俺と喋ってるときのお前ってさ。」
「な、なんだよ・・・。」
「今みたいに、すげぇー顔真っ赤なんだけど?」
「/////!!!」
気づいたら星の腕の中にいて唇をふさがれていた。俺はそっと目を閉じた。

――で、俺のこと好きなんだろ?
――だいきらいだ。

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