きならいっそ

若干気だるさが残る体をずらして達海へと視線を向ける。
幸せそうにはにかむ笑顔が可愛くてさらに煽られそうだ。
そっと腕を回し包み込むように抱きしめ軟らかい髪に口づけを落とす…
はずだったのだが。
「タツ…ミ」
「……」
現実はそうはいかなくて。
目の前には幸せそうにはにかむタツミ。ではなく俺に背を向け不機嫌極まりないタツミがいる。
どこでどう機嫌を損ねたのだろう。何度考えてもわからない。
「なぁタツミ…どうしたんだ?」
「……」
「言ってくれないとわからないだろ?」
「……」
埒が明かない。
かといって理由もわからずに謝ることはもってのほかで。
まさかセックス自体がタツミにとっては嫌だったのだろうか。
もしそうなら俺は、立ち直れない。
それにタツミにも酷い事をしたことになってしまう。
もしかして無理やりタツミの嫌がるような事をしてしまったんじゃ…。
行為の最中に言ってた「や、だ、…」ていうのはホントに嫌だったんじゃ…。
頭の中を悪い事ばかりがぐるぐる回って、おもわず頭を抱えた。
―――ゴトーがこんな奴だと思わなかった。
なんて言われたら俺は…。
「あのねぇー」
「タツ…ミ…!」
「また、余計な事ぐるぐる考えてんの?ゴトー。」
「だって、お前が!」
やっと口を聞いてくれた。
タツミがそっと俺のほうへ顔を向ける。身体はまだそのままだ。
そしてぼそりとタツミが呟いた。
慣れてたから。
「ん?」
その言葉におもわず目を見開く。
慣れてるってなんだ?
「誰が?」
「…ゴトー」
「何を」
フイっとまた顔を背けてしまった。え、わからないぞタツミ。
頼むちゃんと説明してくれ。

To Be Continued・・・・・

好きならいっそ


(好きならいっそ.....)

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