糖分摂取

「よしっ、こんなもんか。」
目の前の包みに視線を向け、さすが俺。丁寧で完璧なラッピングだ!なんて当然のことを思いながら包みのすぐ横にあるカードに目を向ける。
「………」
まぁ、そのあれだ。これは仕方ない!
こんな事を書いちゃったのは・・・うん。そうだ。今日のあまりもの暑さにやられたからだ。だからここに書いたのは決して本心なんかじゃないんだ!
「・・・・・・・・・」
無理やり自分を納得させシスターに呼ばれてたこともあり部屋を後にした。
星型のマスクを被った男がリクの部屋へと向かってることも知らずに。
「おーい!リクー!いるか?」
声をかけたが返事をする気配がない。ドアをあけて勝手知ったるリクの部屋の中へと入っていく。
「おーい、リク…なんだいねぇーのかよ。」
拍子抜けした俺はソファーに座り、リクの帰りを待つことにした。
リクには告げずに来てしまったのだから仕方ない。
「はぁ〜暇だ。」
大きなあくびとともにソファーに横になる。
なんともなしに辺りを見回すと、目線がテーブルの上で止まる。
「なんだあの包み・・・?プレゼントか・・・?」
プレゼントだとしても、あのリクが受けとるはずがない。人に借りを作るべからず!という訳のわからない家訓があり子供のころからずっと守り続けて今に至る。リクは一切の助けや借りを受け取ろうとはしない。だからプレゼントだとしてもリク自身がそれを受け取るはずもない・・・。
起き上がるとそっと包みに近づき手に取った。
よく見ると一緒にカードらしきものが挟まっていた。
「カード?」
そしてそこには− 星へ −と書かれていた。
「えっ・・・俺・・・?」
すかさずカードの中身を見る。

*****

「・・・・・・」
「じゃあシスター俺は戻りますんで。もうあまりくだらないことで呼び出さないでくださいね!それじゃ。」
俺はシスターの用事を済ませ。自分の部屋へ戻るのに歩き出す。
「やっぱり・・・書き直そう。あんな恥ずかしい事・・・。」
はしごを上りドアをあけ、そこで俺は一気に固まった。
え、な・な・なんで星が・・・?
今の状況がまったく理解できなくて動けないでいると星に声をかけられた。
「何つっ立ってんだ?入れば・・・。」
誰の部屋だと思ってんだ!っていう突っ込みも忘れるほどに俺は動揺していた。
てか、なんで・・・包みあいてるんだ???
「ほ、ほ、星・・・!」
「ん?なんだ?」
俺が指をさし口をぱくぱくしてると、ああ。と一言いったあとニヤリと笑った。
「なんか、ここに俺あてのプレゼントがあったんだよなぁ〜なんでだろうなリクたーん。」
しかもカード付だぜ!とぴらぴらカードを揺らして近づいてきた。
「サンキューな。」
絶対からかわれると思ってたのに星から出た言葉はまったく違った。
「ほ、星」
「それとうまかった。」
「えっ!もう食べたのか!!!」
「ああ。まさかリクが俺に手作りチョコレートをくれるなんてなぁ!」
「・・・/////ちっ違っ・・・それは!!!そ!そうだ!!!毒見だ!」
「ふーん・・・。そのわりには顔真っ赤だけど・・・?」
星の言葉にさらに俺の顔は真っ赤になる。
「でも毒見させる相手にカード贈るなんて、リクってば、だ・い・た・ん。」
「あっ・・・」
カードの存在を思い出させられてもう俯くしかなかった。
これ以上星の顔を見たら真っ赤になりすぎて沸騰してしまうんではないかというくらいに。
「毒見でもうまかったのはホントだぜ。」
囁くように言われた言葉に俺は顔を上げた。
チュッ
「なっ、うまいだろ?」
「・・・・・かった・・・。」
「えっ・・・?」
「・・・一瞬で・・・わかんなかったよ。」
今度は星が顔を赤くする番だった。
「ったくしょうがねぇーな。」
そういって俺を抱きしめてさっきよりも長く熱い口付けをくれた。
「・・・んっ・・・。」
「・・・どうだ・・・うまいだろ・・・?」
「・・・・・・・・・甘い。」
―――星へ
・・・・・・好きだ。
――――――リクルート

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