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「今から飲みにでも行くかっ」
「早く帰れよお前」
やんわりと後藤の誘いを断った。
つれないなーとか言っていたが、聞こえないふり。
つれなくもなるだろ、それが終わったらまたお前は京都に戻るんだから。
酔った勢いで離れたくないって言葉をかけることは目に見えてる。
ゴトーにこれ以上俺のことで心配かけるわけにはいかない。
向こうではフットボールの事だけ考えて思いっきりプレイしてほしい。
「そろそろ時間か…」
駅のホームにはまばらにしか人がいない。
その中に俺もゴトーもいる。
「達海、また来るからな」
「しょっちゅう来てんじゃねーよ」
俯きかげんにそう言ったらバーカ、と言われた。
顔を上げて反論しようとしたが叶わなかった。
俺を抱き締める腕に力がこもる。
「ゴトー」
「やっぱり無理だ」
「…なにが?」
「今日はお前、離したくない」
「ハハ、何いっちゃってんの?」
ゴトーの顔を見上げたらそれ以上何も言えなかった。
なんて顔してんだよ……
俺の決意なんてあっというまに崩される。
「ゴトーのバカ……」
しっかりと手を繋いで駅のホームを後にした。

***

お好み焼きデート後の2人
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