この頃ずっと、誰かが見てる。 ふとした時。 何でもない時。 ここ数日、外を歩いていると感じる、強い視線。 そう……今も…… 視線 「――リアリア?」 「!!」 呼ばれ、ミリアリアはハッと我に返った。彼女の目の前には、手をひらひらさせるディアッカがいる。 こちらを窺うような顔つきの青年は、焦点を取り戻した瞳にホッと安堵のため息をついた。 「どうした? いきなり止まって……気になるものでもあったのか?」 「ううん、何でもない……ちょっと、ボーっとしちゃった」 ミリアリアが、極力平静を装うのには、ちゃんとした訳があった。 この男・ディアッカは、ミリアリアの事となると、他の人間とは比べ物にならないほど心配性になってしまう。 だから、言わない方が良い。ちゃんと、はっきり分かるまでは。 もしかしたら、気のせいかもしれないし。 けど……後ろから、刺すように感じるのは……やっぱり…… 「なら、次行こうぜ」 「うん」 ディアッカに肩を抱き寄せられ、そのまま二人は歩き出した。 「…………」 その時、一瞬だけ、ディアッカは視線を背後に注いだ――…… |