海でディアミリがアルバイター?!


「な、何?! この人の群れはっ!!」
「まー……海開きだからねえ」

海水浴場を一望できる道路の上、ひどく驚くミリアリアの隣で、ディアッカは嘲るように笑っていた。





海辺の可愛子ちゃん






今日は海開きの日。
とゆーわけで、海水浴場の傍に住むマリューやムウは、海の家をオープンすることになった。
そしてディアッカとミリアリアは、オープニングスタッフとして海の家の応援部隊として参上したのである。


半分、強制的に。


特にディアッカは、色々……そう、色々弱みを突きつけられ、最終的にミリアリアも参加する、ということで来ていたりする。
まあ、来た以上は、しっかり働く意思はあるが。

しかし、早速制服(と言ってもエプロンだが)を着用したミリアリアは、店に出ようとしたところで、小さく不安をもらしてしまった。

「……大丈夫かなあ……」
「何? 今更びびってんの?」

言うはディアッカ。

「そうじゃないけど……」
「ミリアリアさんなら大丈夫よ。リラックスリラックス!」

後からマリューに肩を叩かれ、ミリアリアは恐縮した。
嫌なわけではない。
接客にだって、自信は全く無いが……彼女が不安なのは、自分ではないのだ。
たった今、「びびってる?」と返したディアッカが気がかりなのである。


彼に、果たして『接客』が勤まるのだろうか。
傍若無人極まりない、ディアッカに。

「ほら、自信持てって。こんな可愛い店員さんなら、多少の失敗は大目に見てもらえっから」
「なんであんた、そんなに楽観思考なの……」

呆れ、ミリアリアはうな垂れた。




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